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特集


フェティッシュの火曜日
 
知らない人の結婚式の二次会に混ざる

ビンゴの開始だ
手を叩く僕。まさか他人とは思うまい。

がんばるぞ

会場の中央に景品が並べ始められた。ビンゴだ。このビンゴであたってぜひ新郎新婦にお祝いのひと言を言いたいところである。

「さすがだなと思ってました!おめでとうございます。」

これぐらいならどうだろう。司会の人に新郎新婦との関係を聞かれたらどうしよう。

「通りかかりです」

うん、冗談を言ってるみたいに聞える。小粋な感じじゃないか。これで行こう。

脳内シミュレーションも完了だ。コスチュームを着た陽気な司会者が登場してビンゴが始まる。あてるぞ。

カード使ったりするビンゴでした
ルールを理解できず、恐る恐る参加する
あかないなあ
新郎も遅れて到着して場が盛り上がる
ビンゴの司会の人と


なかなかあたらないわけで

とは言ってもビンゴなんてなかなかあたらない。

ところで、場は盛り上がっているが僕はあいかわらずテーブルにひとりである。

あまり難しい顔をするとなじめないので、ひとりのときもわりと穏やかな表情になるようにつとめた。拍手もちゃんとした。積極的に参加する態度だ。

………、ふだんからこうすべきなんじゃないか?とちょっと思った。

自分が出る結婚式の二次会って、「あの人のテーブルには近寄らないでおこう」とか「あの人、会社じゃさえないのにこういうときは元気だなあ」とか余計なことを考えてしまう。だが、きょうは違う。純粋に楽しめる。司会の人もひととなりとか関係なく(知らないんだけど)、陽気な人だなーと思って見てることに気づく。

意外なところで人間関係の仕掛けを見てしまった僕だ。

プレーオフのつもりでレギュラーシーズンも戦うべきだったのだ。

たとえが飛躍しすぎですが。

 

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