まずは瓦を調達しよう
タウンページで瓦を取り扱っているお店を探すと、「かわら」というカテゴリーがあって30件ほどの瓦屋さんが載っていた。片っ端から電話をかけるが、お正月時期なので休んでいるお店ばかり。そんな中、唯一営業しているお店が見つかった。品川区の森瓦店さんだ。
戸越銀座の駅から徒歩5分ほどでタウンページに載っていた住所に到着したが、「森瓦店」という看板が出ていない。辺りをもう一度見渡すと、ガレージの隅に瓦を積んである家があり、表札には「森」とあった。ここだ。
チャイムを鳴らすと中からおじさんが出て来た。
「瓦を譲って欲しいんですが……」
「どこから漏れるの?」
「えっ?」
「屋根のどこら辺?」
そうか、屋根の修理用に瓦を探してると思ってるんだ。まあ、そりゃそうか。
いや、実は試し割りをしたいので、割れやすいやつを……
と言える雰囲気ではない。見た目で一番薄そうな瓦を指差して、あれを下さいと頼む。
「これ? これは、のし瓦だよ。いいの?」
いいも悪いも分らない。
「てっぺんの方から漏ってるんだったら、これでいいけど」
「え、ええ、そうです。てっぺんの方から」
「じゃあ、これだ」
「ちなみに、それは割れやすいですか?」
「いやいや、大丈夫。丈夫に出来てるから」
僕的には大丈夫ではないが、仕方ない。10枚買うことにした。
ちなみに1枚500円、結構高い。しかも、これから僕の拳で割ってしまう訳だからもったいない話だけれど、お正月ですし、ここは1つ景気良くいっちゃいましょう!
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