●検証3:箱を運んでおっとっと
これはまだあり得るだろうか。なんとなくそれっぽいことをしている人を見て、あぶないなと思ったことはあるかもしれない。
ただ、それをドカーンとぶちまけるところまではまだ見たことがない気がする。出前配達中のそば屋が自転車で突っ込んできてくれたりしたらいいのだが、さすがにそこまでは望めないだろう。
おお、これもやってみると楽しい。多くの人は、いつも落とさないようにと気をつけながら箱を運んでいると思う。私も例にもれない1人だが、今回の再現ではそういう抑圧から開放されたのだ。
演技でがっかりしてみているが、この楽しさはなんだろう。
一応「あーあ」と思いながらひとしきりがっくり。そのあとぶつぶつ言いながら箱を集めるが、そこまで含めてみても楽しい。
●検証4:小鳥が寄ってくる心優しき人
わざわざエサを与えたりするでもなく、森の中を歩くだけで小鳥たちが寄ってくる人がいる。野生の命たちにもその人の持つ優しい心が伝わるのだろうか。
そう言い切ってしまったが、そんな人いるだろうか。マンガの中だとしてもかなりあやしい。
いや、そんな風に腰が引けていてはダメだ。心がけ次第で子リスだってやってくるかもしれない。実際、撮影場所に選んだ茂みには小鳥たちの声も聞こえてくる。ロケーションとしては問題ない、あとは自分の力にかかるわけだ。
呼びかけてみても寄ってこない鳥たち。逆に、変なやつが来たのを察して逃げたのか、さっきまでさえずっていた鳥たちの声もすっかり聞こえなくなってしまった。
茂みを前に、ひとりぼっちになってしまった自分。ここまで順調にマンガっぽさを再現してきたわけだが、こうした内面にかかってくるものについてはごまかしが効かない。
●検証5:両手に持ったまんじゅうを交互に食べる
くいしん坊キャラがマンガで繰り出すそれっぽい行動にはいくつか例が挙がると思うが、今回はまんじゅうで攻めてみたい。こうして皿にぎゅうぎゅうとまんじゅうが乗せられているだけで、早くもかなりのマンガ感がにじみ出ている。
バカっぽい笑顔もなかなか様になってしまったと自分でも思う。本当の自分は、まんじゅうを前にここまでできる大人ではない。いや、なにを今さら恥じらいを見せているのか。
メンタルな部分できつい。これまでオレンジを転がしたり箱を落っことしたりと楽しくやってきた私だが、これはきつかった。こうして書いていても痛々しい。
意外なところでマンガになりきれない自分を発見。まあ、マンガになりきる必要性は今後ないだろうから、それでいいと思う。