翌日、9時に起こされました。寝たの夜中の3時ごろなのに、やはりオールドスタイルの旅館はきびしいものがあります。 10時にチェックアウトして、温泉施設「華の湯」に向かいます。 ……が、バスターミナルで運転手さんに「雪でバスは遅れるよ〜、華の湯に行くんだったら、この近くの『ゆっくりセンター』のほうがいいよ〜、お風呂入れるよ〜、私も昨日、ゆっくりセンターでゆっくりしてきたよ〜」 ……といわれ、行き先変更。
「ゆっくりセンターって入浴施設だったのか!」 「なるほどね!」
建物は学校みたいでした。 利用料500円払って中に入ります。
……すごいまったり感! 公民館テイストがあふれています。
でも温泉はさすがに充実。内風呂のほかに露天風呂もありました。 さすが、お湯が勝手に湧いてる土地っていいなあ、と思いながら、パパパパーと脱いで入浴。 雪の降る中、だらだらつかります。
「やばい、幸せかもしれない…」 「これ、いつまででもつかっていられない?」 「いられるねえ」
「……ああああ、気持ちいい、ていうか、いま音楽聴きたい!」 「はあ?」 「音楽聴きたいよ!」
私はおもわず、露天風呂にCDを持ち込んでしまいました。
ちなみに聴いているのはプラスティック・スクイーズ・ボックスのセカンドアルバム。
「大塚さん、バカだ……」 「いやだってさあ……っていうか、『お風呂iPod』とか作ったら売れないかな?」 「売れないんじゃない?」
「温泉まんじゅうストラップです、さっきバスターミナルで買ったんですよ」 「可愛いなあ……」
……まあ、こんな雰囲気で、私たちはダラダラと過ごしました。
自販機の、見たことないアイスを買ってみたりとか
心底くだらない、「だまし絵」のミュージアムを訪れてみたりとか。
JA直営の店で、スズメ蜂入りホワイトリカー(強壮用?)を見つけてウケたりとか。
ミヤゲ物屋に置いてある機械で、脈拍と体脂肪をはかってみたりとか。
「梅ミルク」なる、あやしい飲み物を頼んでみたりとか(飲んだサカモトくんいわく「はちみつ入ってるみたいで、そんなに違和感ないですよ!」)
ミヤゲ物屋のディスプレイの巨大プーさんに、スゲー! といってみたりとか。
……帰りのバスの中、眠るみんなを横目に、フルボリュームでCDを聴きながら「こんな旅も出来るんだなあ」と考えていました。 大人になると、恋人と旅行とか、社員旅行とか……損得の発生する人間関係で、出かける率が高くなってしまいます。でも、そうじゃないこともできる。そうじゃない人と、くだらない食べ物を食べに出かけることも出来る。 これは結構、いい発見なのではないかなあ……と思うんだけど、どうでしょうか? 追記。帰りに寄った新宿タワーレコードで、タカセさんが、私が露天風呂とバスで聴いていたアーティスト、プラスティック・スクイーズ・ボックスを購入。「だって、もれて聴こえてて、いいなって思ったんだもん」とのこと。なんだ、それ!