声を分析してウソを発見するというこのハンディトラスター。そのとき話された言葉と、平常時の声とを比較してウソか否かをするという仕組みらしい。そのため、まずは普段の、つまりはウソではない声を登録するという作業をしなくてはならない。
いざ真実を改めて語るとなるとかしこまる。なんて言えばいいか。
「あーあー、今日は寝違えて首が痛いです」
「えーと、腰も調子悪いです」
「あと、深爪してます」
とっさに思いついた真実トークとして出てくるのは体調のことばかり。どれも事実だが、どうしてこんな機械に向かって体の痛みを告白したりしているんだろう。
判定する前から人の心の淵を垣間見せるウソ発見器。
|