やっぱりいました
やってきたのは「のらくろ」の作者、田河水泡の墓だ。
きっと何かあるんじゃないかと訪れたが、正面から見ると、ごく普通の墓のように見える。
「いや、そんなはずは…」と、植え込みの間を入ってみると…。
いましたよ、のらくろが。
のらくろのあまりの可愛さに、墓に手を合わせながらも「のらくろ、本当に可愛いです。好きです。たまりません。えーと……安らかに」と、心の中で滅茶苦茶なことを唱える始末。
さあ、続けて馬場のぼるの墓を訪ねよう。急がないと、日が暮れる。
馬場のぼるの墓の前には、お馴染みのネコがドーンと建っていた。
好きなキャラクターを作者の墓の前で見ると、めったやたらに愛おしく見えてたまらない。
ポップなものが何ひとつない墓地ゆえ、だろうか。とにかくグッとくる。かわいさ5割増し。
暗くなってきた
さて、次は誰の墓を見ようか…と歩くうちに、辺りが徐々に暮れ始めた。基本的に、舗装されてない道には外灯がない。
墓地であることの怖さは全くないが「もしも今、ここで誰かに襲われたとしても、どこにも悲鳴が届かないだろうな」と思うと、さすがに怖くなってきた。
「ご先祖様。やっぱり一番怖いのは人間ですよ!」と思いながら、大きな通りを目指してズンズン歩く。
後で知ったことだが、多磨霊園は夜間、立入禁止だった。もっともな話だと思う。
今回、5時間ほど霊園を歩き回ったが、やっぱりお墓は落ち着く。心がシンとなる。有名人の墓めぐりも思いのほか楽しかったし、今度来る時はおにぎり持参で、もっとのんびり回ってみたい。
その前に、まずは自分のご先祖様の墓参り、ですかね。