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土曜ワイド工場
 
長崎トイレマップ

山の中にあるトイレ

最後に、山の中にあるちょっと変わった公衆トイレを見てみたいと思う。

こんなロケーション。↓


中央にあるのが公衆トイレ

役場で地図を広げて場所を確認
トイレの看板がある


すごい田舎です

風景がいきなりものすごい田舎になっているが、ここは長崎は諫早市森山町というところ。かなりわかりづらい位置にあるので、役場の人に詳しい道順を聞きようやく辿り着いた。

子供たちのためのトイレ

これは子供たちのためのトイレである。
その名も「すずめのおやど」。
写真のような田舎なので、子供たちは山道を歩いて登校している。そこでいつも途中に一軒だけある商店で子供たちはトイレを借りていたらしいが、それでは商店の人も大変だということで、こうして子供たち用のトイレが作られたという。

設計をしたのは東京に事務所を構える一級建築士の小林純子さん。

このトイレが実にすばらしいトイレなのよ!
という竹中さんの案内で、長崎市内から車で一時間くらいかけてやってきた。

往復2時間のドライブ、目的地はトイレ。


トイレへと伸びる道

子供専用公衆トイレ・すずめのおやど

弧状の壁にはポップな模様

参加型のデザイン

子供用ということで、まず公衆トイレにありがちな暗くて怖い雰囲気にならないよう、かわいいデザインが施されている。

壁には子供たちが思い思いにデザインした円盤が埋め込まれている。


クワガタ
ゴリエ

参加することで湧いてくるトイレへの愛着。
わかるなぁ〜、その気持ち。
このトイレ見ながらしばらくの間みんなでお酒飲めるよ。
(あ、小学生はお酒飲まないか。)

開放的で明るい空間

男子用の立ちションコーナーや、手洗い場所は弧状の壁を利用して作られている。壁で空間を閉じて密室にしてしまわないことは防犯にも役立っている。

もちろん、すべて子供の背丈に合わせ低い位置に設置されている。


立ちションコーナー
足も洗える

個室の方も、扉を開けてみると中がすごく明るい。


中が明るい

天井から採光
横からも採光

ここでも子供たちが描いた絵がタイルに

住んでもいい

個室の壁面にも、子供たちの絵がタイルに描かれている。
そして中はやさしい木の香りがする。

学校帰りに子供たちが立ち寄り、用を足すついでにここでちょっと遊んで帰る。小学生の休憩所。

なんて素晴らしいトイレだろう。

こんなトイレなら住んでもいい。
どこかの山奥に立派なトイレを作り、その横にテントを張って住む、なんてどうだろうか。


けっこうな山奥

「すずめのおやど」ができたのは平成14年。
つまりもうできてから3年ほど経つが、昨日できたかのようにきれいだった。地区の子供会が掃除をしているという。

なるほど。たしかに私も自分の子供が学校帰りにいつも使うトイレだと言われれば、全力で掃除するだろう。
それにこんなかわいいトイレだったらできるだけ長く使えるようにしていきたいって思う。

というところで、長崎トイレめぐりの旅は終了です。



 

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