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特集


ひらめきの月曜日
 
距離を置きつつ一緒にお出かけ

まずは電車で渋谷へ

微妙な仲の人とのおでかけで気まずい場所といえば、やはり最初に上げたいのが電車内だ。

席に座るか否か。ぽつぽつと空席があった場合、離れても座るべきか、一つしか席が空いていない場合どっちが立つか。片方が立って片方が座るフォーメーションになると、会話が聞き取りづらくさらに気まずさも増す。乗り込んでからの数秒に走る緊張といったらない。

今回は離れているために無理に話さなくてもすむ。のんびり中吊りでも眺めていればいいのだ。気楽だ。

同じ車両の前と後ろに乗る

トランシーバーで乗る電車を打ち合わせ、せーので違う扉から同じ車両に乗り込んだ。車内ではトランシーバーで会話することもはばかれ、完全に一人。でも同じ車両には同行者がいるという状態。

古賀、この辺に乗ってます

事前に渋谷で降りることは打ち合わせてあった。お互いが降りているかどうか、車内で姿をチェックする。

「(次の渋谷、降りますよね)」
「(はい、降りましょう)」

会話ができないため、双眼鏡を使いつつ、アイコンタクトをとる。なんだ、何かのスパイ活動でもしてるみたいだ。趣旨とは離れたところでわくわくしてきたぞ。

両者無事渋谷に到着

ぶらぶら散歩しながらドンキホーテへ

到着すると、まずは適当にぶらぶら歩きつつ、ちょこっと買いたい物があるドンキホーテへ向かうことにした。トランシーバーで伝える。

古賀「ドンキホーテで買いたいものがあるんで向かってくださいー」
宮城「了解です」

また宮城さんに先を歩いてもらう。常に10メートルほど先に見える、宮城さんの頭のお団子を見失わないように進む。

プルルルル、プルルルル。途中、トランシーバーの呼び出し音が鳴った。道中何か話したいことがあったら何でも気軽にトランシーバーで話しかけてくれるよう頼んであったのだ。

宮城「あのー、古賀さん」
古賀「はいはい」
宮城「街灯の垂れ幕がボーダフォンの着せ替え携帯になってますよね」
古賀「あ、そうですね」

宮城さんが着目した垂れ幕

宮城「これ、いいですよねえ」
古賀「そうですねえ。あ、A社のUさん(共通の知人です)が買ったみたいですよ」
宮城「へえ」
古賀「なんか大きくて微妙みたいなこと言ってました」
宮城「そうですか」

隣にいないのに、同じ物を見てしゃべるのが面白い。しかも、会話が続かなくなったらその時点でトランシーバーからフェードアウトすればよいのだ。便利だ。

プルルルル、プルルルル。あ、また宮城さんからです。

古賀「はいー」
宮城「道でアメ配ってますよー! こちらはもらいました」
古賀「え、アメ?」

チラシにアメつけて配ってた

古賀「私も今もらいました!」
宮城「ならよかったです」
古賀「あ、このチラシ、ラブホテルのチラシなんですね。こんなん配ってるんだ」
宮城「本当だ。はじめて見ました」
古賀「平日の昼のフリータイム、12時間2,100円だって!安!」
宮城「夏休みですから、学生がたくさんくるんじゃないですか」
古賀「ああ」
宮城「かきいれ時なんでしょうね」
古賀「なるほどー」

実は上記のような話の他にも、移動しながら会話が弾んでしまった。宮城さんが渋谷の街にわりと疎いことだとか、学生時代は渋谷のライブハウスによく出演してたことなどなど。

人はトランシーバーで話すと会話がはずむのだろうか?

宮城「あ、ドンキホーテ着きましたー」
古賀「じゃあ適当に入ってください。私も後から入ります」

到着、続いては遠くの人と一緒に買い物、です

 

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