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たとえば、こんなやつ。 |
夏まっ盛り。何かと水の恋しい季節だ。
30過ぎて急に汗をかくようになったので、一日何回もシャワーを浴びている。そんなときときどき思うのだ。蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくるとはなんとすばらしいことか。まあ、ほんとにときどきだけど。
なんだかじじいの繰り言のようで申し訳ない。何の話だっけ。
ああ、そうだ。で、ぼくはマンションの4階に住んでいるのだが、そういう住宅環境においてはこの「当たり前のように水が出てくるすばらしさ」には2つの意味がある。ひとつはよく言われる「水が豊富にある」という意味で、もうひとつは「こんな高い位置まで水がちゃんとやってくる」という意味だ。
水道管は地中を走っているのだから、1階だろうが10階だろうが水がそこから持ち上げられて蛇口から勢いよく出てくる不思議さは変わらないのだが、それでも団地やマンションなど何階建てかの集合住宅のように目に見えて高い建築の蛇口から水がほとばしるのにはちょっとした感動がある。ないか、ふつう。
まあ、でもそういう感動とかはおいておいて、今回はこの高い位置まで水を運ぶための巨大な装置、「給水塔」の造形を愛でてみようと思う。
(text by 大山 顕) |