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特集


ひらめきの月曜日
 
大声で叫びたい

こ、これ乗るんですか……?

料金は1,000円。それほどに怖いということか


無邪気なこどもたちに囲まれ一人落ち込む


絶叫マシンで叫ぼう

やってきたのは東京ドームシティ。LaQua内にある「サンダードルフィン」に乗る。このマシンの絶叫度の高さはほうぼうでリサーチ済みだ。

ぎゃーーーーーー!!!!!

乗っている人の絶叫が聞こえる。これなら私も心おきなく思いっきり絶叫できそうだ。が……。

こわい。

叫びたいという一心で、絶叫マシン=おそろしいということを私はすっかり忘れていた。このサンダードルフィンは約80mの高さから約80度でレールを滑り降りるそうだ。見上げればレールを高速で駆け抜けるコースターは滑るというか、むしろ「落ち」てる。ヒザ、がくがくである。

それでもすでに2カ所で叫び損ねている手前、そろそろ大声の一つもあげたい。このあふれる恐怖を写真や音声でリアルにお伝えすることができればそれも一興と意を決して列に並んだのだが……。

カメラ、マイク持ち込み禁止

きゃあきゃあ怖がって沸き合う人々を横目に一人順番を待っている間、ショッキングな事実が判明した。

なんと乗車中に落下物があると大変危険であるということで、手荷物はもちろんポケットの中にゴミ一つ入れてはいけないという決りがあったのだ。カメラもレコーダーもましてや騒音計など持ち込むことはできない。

がーん。もう乗る意味ないんじゃない?! ショックで列を離れようかと躊躇している間に順番が回ってきてしまった。腹、まだくくれてません! 

あわわわわわ

無理無理無理無理無理あっ、わっ、わっ

ふぐうっ

ふふふわあっぎー

乗車中の顔を撮影して売ってた。もう何とも言えない顔をしていた。

絶叫すらできない

胃が、ういた。

乗車中一度も目を開けることはできず、考えていたのは昼に食べたそうめんが鼻から出でもしないかということだった。

そして肝心の絶叫だが、声、出ませんでした。あまりにも恐ろしくそして空気の抵抗が強かったため、声にならなかったのだ。

しかも思ったのは、この場合の絶叫って、「叫ぶ」というよりも「叫ばされてる」感がある。もっと、自主的に叫びたいのだ、私は!

叫び場データ「サンダードルフィン」
気兼ねナシ度★★★★★
開放感☆☆☆☆☆
大声度測定不可
・絶叫マシンは度をすぎると絶叫できない
・叫びたくて叫んでいるのではなく、叫ばされているだけなのではないか。
  

山の頂上で叫ぶ!(写真はイメージです)

これまでの失敗をもとに

純粋に大声で叫ぶということがここまで難しいとは。人がおらず、広々としていて、叫ぶのに適した場所。こうなったらもう、都心を離れるしかないのか。

そうだ、山へ行こう。山の頂上には堂々とした叫びの文化、そう「やっほー」がある。

急ぎ埼玉の実家へ向かった。実家の裏に20分ほどで手軽に登れる山があるのだ。


 

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