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特集


ちしきの金曜日
 
「ラブホテル」を鑑賞する
最近は「カップルズホテル」とか言ったりするらしいですな。しゃらくせえ。

ラブホテルに行ったことがない。

クルマの免許も持っておらずタバコも吸ったことがない。2週間後には33歳になるが、これまでの人生でぼくはいったい何をやってきたのだろうか。ラブホとクルマとタバコつったら青春の3大要素じゃないのか。知らんが。

青春時代の自分が不憫でならない。遅ればせながらラブホテル体験をしてみようと思う。

(text by 大山 顕

■ラブホテルとぼく

ぼくの住んでいる西船橋という町は風俗産業で栄えた町だ。駅前にはあまたのソープランドが軒を連ね、「西船OS劇場」という一世を風靡したストリップ劇場もあった。とうぜんラブホテルもいくつかあり、ぼくの中学校の通学路の途中にも大きなものがあった。

家の近所にあるラブホテル。登下校の際度胸試し的に駐車場を横切ったりしたものだ。


西船橋のお母様方、いわゆるニシフナーゼはさぞかしやきもきしたことだろう。子育ての環境としてはいかがなものかと言わざるを得ない。そういえば子どもの頃近所の住宅街の真ん中に新たにラブホテルができたときには、住民の反対運動が起こったことを覚えている。

ニシフナーゼの反対運動にも負けずにいまでも現役の住宅街系ラブホテル。今よく見るとシンプルな作りに好感が持てる。


ぼくの親がやきもきしたかどうかは知らないが、親が心配するほどこういう環境が子どもの人格形成にそれほど影響するとは思えない。ぼくを見ろ、まともな大人になったでしょう。団地めぐりとかしてるけどな。

男女の営みの意味とその実態を知らない幼少時代でも、誰に教えられるわけでもなく、これらラブホテルに対してはどことなく淫靡なにおいを感じていた。大人たちの態度から感じ取ったのかもしれないが、やはりラブホテルのその素っ頓狂な建築造形を見れば「なにかおかしい」と思うのは当然だろう。


これも家の近所のラブホテル。性の大海原を航行中。「満室になると汽笛が鳴り響く」という噂もあったが、いまだかつて聞いたことはない。


唐突にその雄姿をあらわにする大型客船。どう考えてもおかしい。

冒頭でも申し上げたが、ぼくももうすぐ33歳。ぼくのスクリューもまだまだ現役だと思っているが、正直なところラブホテルへの興味の在り所としては内部におけるアクションよりもその建築造形にある。ラブホテルの建築様式をいろいろ見てみたい。

ラブホテル体験つっても結局それか、という声も聞こえる。だいたい自分の青春のリベンジなのかどうか云々以前に、カメラを持ってラブホテル撮影を一人で行うなんて怪しすぎる。良く解釈されても素行調査している探偵といったところだ。


「だからラブホテルをいっしょにめぐってくれないか」

ととある女性に頼んでみた。なにがどう「だから」なんだか。ほんとうに女性と2人だったらカメラ持ってても怪しくないのか、という論点は無視で。


今回のラブホテルめぐりの同行者。猫好き。猫とふれあい、気分が良くなったところに乗じてもちかけてみる。


ついでにクルマも出してくれ、と言ってみた。なんせぼくは免許持ってないし。取材を口実にラブホテルに連れて行くこととクルマを出してもらってアシとして利用することと、女性にとってどちらが失礼なのか分からないが、とにかく彼女は快諾してくれた。外観見るだけだから。痛くしないから。


 

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