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ひらめきの月曜日
 
浜松は餃子の街だった


焼き鳥とホルモンの店でもあります
巨大タッパーを持参して餃子を持ち帰る方も

こんなにウマくていいのか

満席だった店に再びやってきたところ、今度はなんとか座ることができた。

お店の方も顔を覚えていてくれたらしく「どうぞどうぞ」と奥へ招き入れてくれる。

このお店が他と違うのは「なか休み」がないことだ。最初から夜だけの営業なのだ。

ラーメンなどの主食になるような物がなく、いかにも「飲んでってください」と言わんばかりの、ガツンとした酒のアテにふさわしいメニューが並び、思わず顔がほころぶ。

駅から離れた住宅街にポツンとある店にもかかわらず、ここにも持ち帰り用の餃子を買いに来るお客さんが大勢いた。

つくづく地元に愛されている店なのだなぁ、と思いながら、餃子を注文。焼き鳥も美味しそうだったので、思わず注文。

ああ、食べる前からいい店だ。


どうです、この絶妙の焼き加減。ちなみにこちらもモヤシ付き

…この餃子のうまさを、どう表現していいのか分からない。とにかく、うま味がギュッと詰まっている。さきほど食べた「むつぎく」とは対局の味と言えるが、ものすごくうまい。

焼き鳥も、すごくおいしい。ウマイ、ウマイを連発していたところ、隣に座った常連のお客さんに話し掛けられた。

「え、東京から来たの! じゃあビール飲んでって!」と、勝手に冷蔵庫を開けてビールの栓を抜き、こちらが恐縮するくらい、お酒をどんどん飲ませてくれる。うわ。申し訳ない。


店の3軒先に住む、常連の佐藤さん

この日は地元の秋祭りで、いつもよりお客さんが少なかったらしく、お店の方にいろいろとお話を聞かせてもらうことができた。

「なんで餃子じゃなく強子なんですか?」の質問に「餃子ってのも当て字なんだよ。だからこれも当て字」とご主人。さらに「阿藤快がレポーターやる番組で取材したいって言ってきたけど、その日は定休日だから断った」など、興味深い話をどんどん聞かせてくれる。

もっとゆっくりしたかったが、残念ながら帰りの新幹線の時間が迫っていた。たらふく食べたのに会計が驚異的に安かったのは佐藤さんのお陰だが、そうじゃなくても気軽に食べて飲める店だと思う。浜松に行ったら、ぜひ行くべきです。おすすめです。

また行きたい

浜松は、声高に餃子をアピールなどしていなかったが、その人気は、地元にしっかりと根差していた。

そこにはまるで「観光客にはウナギがあるが、私たちには安くてウマイ餃子がある」とでも言いたげな静かで深い自信が感じられ、なんだかとても羨ましいと思った。

それにしても日帰りで浜松なんて、やっぱり勿体ない。今度は泊まりがけで行こう。そしてまた餃子を食べに行こう。

新幹線の改札の中にあるヤマハとカワイのピアノコーナーで、試し弾きをするおじさん

 

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