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特集


チャレンジの日曜日
 
都会の巨木・保存樹木鑑賞会
巨木(東京都文京区にて)

普段何気なく通りすぎているかもしれないが、都会は意外と樹木であふれている。しかも、わりとでかい。(写真右)

そんな大きな、立派な木がせせこましい都会の片隅で窮屈そうにしているほど、逆に魅力を感じてしまうのは僕だけだろうか。(写真右!)

そこで「都会の巨木・保存樹木鑑賞会」という会を立ち上げた。会員は今のところ、僕一人。

会員が増えてくれる事を望んで鑑賞会の第一回のレポートを行う事にします。お手柔らかに。

梅田カズヒコ

はじめに

第一回のレポートにあたり、感想文の他に我々は3項目、5段階評価の採点を行う事にした。
『巨木度』『由緒度』『窮屈度』である。
説明するのもおこがましいのだが、巨木度とは文字通り木の大きさ、由緒度はその木の持つ歴史・ストーリー、窮屈度は木が都会の住宅・ビル等でいかに窮屈そうに見えるかが採点ポイントになる。すべての項目において自らの主観で採点しているので、採点に不満が残るかもしれないが、あくまで個人的な評価という事でご了承願いたい。

『鑑賞会』というタイトルにしてしまった事によって、少し畏まったような文体になっているが、そのうち普段通りの文体に戻ると思うので、ご了承願いたい。願いたい、いや、まじで。(←戻った!)


日比谷公園は巨木がたくさんあって、どれが目当ての木なのかわからない。
日比谷公園前の交番。イチョウの場所を親切に答えていただきました。 

一本目の巨木を目指し日比谷公園へ

都心、日比谷公園の中にひときわ大きな巨木のイチョウがあると聞き、さっそく出かけてみた。

巨木は地図に載っていない。
だから、見つけるのに少し苦労する。特に、まわりに木がたくさんあるような公園では。

そこで交番の方に訪ねてみた。

「すみません、道を訪ねたいんですけど」
「どちらですか?」
「大きなイチョウの木の前に行きたいんです」

お巡りさんはぽかんと口を開けた。僕も自分で道を聞いておいて変な日本語しゃべってるなー、と思った。「大きなイチョウの木の前に行きたい」童話から飛び出してきた人の会話だ。不思議の国の人の会話だ。

しかしイチョウの木はこの近辺では有名らしく、ていねいに行き先を教えてくれました。
交番の方、ありがとうございます、お騒がせしてすみません。

今回のターゲットである『日比谷公園の首かけイチョウ』は年に一回チャリティ10円カレーを開催する事で一部では有名なレストラン、松本楼のそばにありました。


巨木・保存樹木1 日比谷公園の首かけイチョウ


でかすぎて僕のデジカメでは木全体をフレームに収める事ができませんでした。以降の写真も同様です。レストランのオープンテラスから大きさを想像してみてください。

思いっきりひいて撮影するとフレームに収まりました。でも木のダイナミズムが半減します。
木、気持ちいい。

巨木に感動!

巨木が大きすぎて、写真の右側に写っているオープンテラスのカフェが後から合成したように見える。テラスが小さく見えるのは遠近感ではなく、木のすぐそばにオープンテラスはあります。でかいっすね。

この巨木はなぜ首かけイチョウと呼ばれるようになったかと言うと、ちょっとしたエピソードがある。このイチョウは昔は日比谷交差点の脇にあったのだが、道路拡張のため伐採されようとしていたという。
ちょうどその頃、日比谷公園の設計にあたっていた博士、本多静六氏は公園のシンボルでもある巨木を切ってはいけないと訴えた。
そこで彼は木を公園内に移植する事を考えた。当時の技術では不可能ではないか、と言われていたが博士は
『首をかけてもこの木を移植させる』と言ってこの大木を今の位置に移動させたそうです。

それからこの木は首かけイチョウと呼ばれるようになったそうな。

ジャポニカ学習帳の最後に載っていそうな心温まるエピソードだ。

以前の当サイトの特集でライターの古賀さんが木に抱きついていた。気持ちよさそうだったので僕もマネしてこの大木に抱きついてみました。気持ちよかった。
木、気持ちいいです。

 

もう少し秋が深まると黄色く紅葉してもっときれいだそうな。もう一回足を運んでみよう。

日比谷公園の首かけイチョウ

巨木度:★★★★
由緒度:★★★★★
窮屈度:★★

公園の中という事で、窮屈度は低めでした。

DATA
高さ:20m  幹の外周:6.44m
住所:東京都千代田区日比谷公園内
最寄り:メトロ・都営地下鉄日比谷駅そば
 



 

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