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特集


ひらめきの月曜日
 
高いシャケ、安いシャケ

壮観です

デパ地下以外にいつものスーパーで買ったものを加え、計11種類のシャケが揃った。

種別も産地もバラバラのシャケたちが一堂に会しているのを見ると、妙に感慨深い。川から海に出て、産卵のために再び川へと戻る途中で捕まってしまった彼らが、何の因果か「高瀬の家のテーブル」で顔を合わせているという、この事実。このテーブルはある意味、川だ。

書いていてワケがわかりませんが、たぶんテンションが上がってるのだと思います。


ようこそ我が家という川へ。…食べるけど。

いつものコンロで焼いていきます

まずは、なにはなくとも2千円を焼かねばなるまい。この2千円シャケ、正しい名称は「釧路産・時鮭(ときしらず)」だ。さらに厳密に言えば2千円じゃないし。

味の違いを見るために、デパ地下で買った500円(アラスカ産・紅鮭)と、スーパーで特売だった100円(出自不明)も同時に焼いてみよう。

ああ、血が騒ぎます。


手前から、500円、2千円、100円というラインナップ

ジュージューといい音をさせながら、どんどん焼けていく。特筆すべきは500円の身の厚みと、目にも鮮やかな紅色だろう。それに対する2千円シャケの、なんと慎み深い色合いなことよ。シブイと言ってもいい。

時鮭は「白鮭」というだけあって、さすがに色が白っぽい。なんとなく「本当の金持ちは身なりに構わない」という説を連想してしまうほど、隣の紅鮭が「どうよ」と言わんばかりに華やかだ。

なんだかんだ言ってるうちに、焼けたようです。


さて、どれから食べようか
2千円  →  500円  →  100円

まず、100円のものを食べてみた。…うん、いつものだ。よく知った味と言うべきか。適度に身がしっとりしていて、脂も乗っている。おいしい。

次は500円。…うわ、脂がすごい。身からオレンジ色の脂が溢れ出している。味が濃厚で、若い人には人気があるだろう。こちらも大変においしい。

続いて、いよいよ2千円だ。緊張のひと口。…うむ。おいしい。500円ほど脂はないが、味が、味が…。すみません、ごはん下さい。


思わず、ごはんブレイク

100円も500円も、身だけをそのまま食べて「おいしい」と思った。もちろん2千円のも同様に「おいしい」と思った。だが、塩加減といいシャケ本来の味といい、これは単独で食べるようなものではない気がして、ごはんの助けを借りることにした。

シャケといったら、やっぱり白いごはんだろう。で、この2千円がまた、ごはんとよく合うこと…。いや、べらぼうにウマい。

実は「そりゃ2千円もするんならウマいだろうよ!」と思いながら食べ始めたのだが、値段のことを考える自分が悲しくなるほどに、それはウマいシャケだった。さすがの味と言っておこう。


500円の脂の乗りっぷりに、ごはんがオレンジ色に染まります


思わず100円と500円もごはんに乗せて、再び味を見る。シャケの真価は、やはりごはんと一緒に食べてこそ、なのかもしれない。

さ、次は鮭児を焼いてみよう。「幻の鮭」とは一体どんな味なんだ?


 

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