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特集


ひらめきの月曜日
 
タニシを食べタニシを歌う、厚木で


駅からしばらくすると、いきなりこんな風景に

道ばたでサツマイモ売り始める奔放さ

こんな豪勢なお部屋に通されてしまいましたよ……!

窓から見えるのはこんな絶景。いいのか。

「タニシ町」と呼ばれた場所

厚木からバスで30分弱行ったところに飯山温泉はある。本厚木の駅を離れるとしばらくして、風景が突然のどかモードに切り替わった。すごい二重人格ぶりだ。

飯山温泉は飯山観音を中心に温泉旅館が建ち並んでいた。昔は「タニシ町」とも呼ばれるほどタニシをよく食べ、またタニシ料理が有名だったようだ。

なんでも、4月の花祭りのときに草競馬が行われ、それ目当てに遠方から大勢の人が押し寄せたそうなのだが、会場のの周りにタニシを売る屋台がたくさん出たのでやって来た外部の人々にもタニシの町というイメージがインプットされたらしい。

タニシを食べる。旅館で。

さてさて、そういった訳でここまでくればタニシ料理がそこいらじゅうで食べられる。と、言いたいところなのだが、そうでもなかった。

なにしろ温泉町なのであまりレストランとか料理屋がない。観光局で聞いてみたところ、旅館の料理によく出るのだそう。

返す刀で飯山温泉の旅館何軒かに問い合わせたが、だいたいの旅館はタニシ料理といっても先ほど本厚木で見かけた味噌煮を先付けに出すぐらいがせいぜいだった。タニシへの道、意外にも険しい。

ようやく元湯旅館というところで味噌煮以外の料理を出してくれることを突き止めた。それでも予約の際に前もって(1週間から10日前!)にタニシ料理希望とつたえなければならない。

しかも、旅館の日帰りプランに食事が組み込まれているとあってお値段はそれなりなのだ。今回は昼食としていただいたのであるが、普段のお昼ご飯10回ぐらい分の散財をした。

気軽な気持ちでタニシ料理を食べたいなんて思ったら割と大ごとになっている。このエクゼクティブ感、通常のデイリーポータルではない。

だってわたし、タニシ料理を食べる前にぶっちゃけ温泉でひと風呂浴びたのだ。日帰りプランでもお湯がついてくるってんで。おかげさまで肌しっとりで、冷え性の手足もぽかぽかである。

タニシが、タニシがテーマにもかかわらずの豪華旅行ぶり。いいのかこれで! ジレンマを感じつつも、それではタニシ料理とご対面です。

どん。まずは先付け、タニシの味噌煮
   
なお、タニシの他にも刺身やらシャケやらが。ど、どうしよう。美味しい。こまった。

タニシは、貝です

豪勢なセッティングに後ろめたいような気持ちで食べた生まれて初めてのタニシ。一瞬「あ、やっぱり泥くさいものなのかも……」と思ったが、二瞬目で好きになった。当たり前なのだが、貝だ。コリコリ感が柔らかくて美味しい。

味はクセがあってやや大人向けの味という感じか。食べたことないのに懐かしいというか。ぜいたくついでに生意気言ってます。

この旅館では、この味噌煮だけはどの会席にも先付けとして出しているそう。今日の私の席にはさらにあと2品タニシ料理をお出しいただく。うおお。



 

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