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土曜ワイド工場
 
理想の地下歩道を求めて

■理想の地下歩道

さて、数少ない「純粋地下歩道」のなかでも気に入った作品を3つご紹介しよう。まずはひとつ目。三鷹にあった純粋地下歩道。


期待を見事に裏切るグリーンがまぶしい。


どうだろうか。断面形状、色使いともに野心的な作品だが、妙にダンジョン感あふれる地下歩道だ。伝統を重んじつつも新風を吹き込んだ、といったところだろうか。「暗く閉塞的な雰囲気を何とかしたい」という市の地下道担当者の熱い思いがグリーンという結論に行き着いたのだろうが、見事にその期待を裏切った結果が見事である。地下歩道鑑賞家としては意図はともかくとして、結果オーライだ。


出入り口階段下のタイヤ再利用もかわいらしい。




地下道内数箇所に設置されていた非常要請用ボタン。地下道環境の苛酷さをしのばせるアイテムだ。





下は2つ目。これはかなり良い作品だ。


入り口の不穏なたたずまいからして期待が持てる。




非常にバリアフルな階段。地下歩道はこうではなくてはならない。




充実した落書きが荒廃感を演出。子供や女性には歩かせたくない、地下歩道の代表格。




痴漢への注意を呼びかける看板と、既視感のある品の無い落書き。地下歩道には欠かせないアイテムも完全装備。




惜しむらくは全体として小ぶりであることと、天井の白い塗装の綺麗さである。


 
 
そして今回の地下歩道めぐりで出会ったなかでのベストはこちら。


入り口の造形もなんだか不思議。



狭い階段に入ろうとしていきなり汚水がお出迎え。すてきだ。




捜し求めた理想の地下歩道。一刻も早く立ち去りたい感じのベスト物件。


 
どうだろうか。毎回のことながら非常に共感しづらい趣味を押し付けているようで恐縮だが、図像としてぐっと来ないだろうか。

個人的には、ほんとうに素敵な地下歩道は「素敵。でも長居したくない」そんな不条理な心境にさせるものだということが分かったのが収穫でした。



 

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