猫バスだからバスに乗るよ
せっかく猫バスになったので、都バスに乗る事にした。 猫バスはバスなんだから都バスに乗ってどうすんだ、と指摘されても仕方ないと思う。でも、どうしても猫バスでバスに乗りたかったんです。
20時台に新橋行きのバスは2本しかなく、あと20分ほど待たなくてはいけない。そうなんだ。トトロでも猫バスはそう簡単には現れないのだ。いや、違う。猫バスは僕なんだから、もう現れている。ただ、都バスの本数が少ないだけだ。
定刻より5分ほど遅れてバスがやって来た。
運賃200円を払ってバスに乗り込む。
バスの中に乗客は2人。アイドリングストップバスだったので、車内は本当に静かだった。本当に猫バスが現れそうな、そんな雰囲気である。いや、猫バスは僕だ。
しばらくバスに揺られるうち、気分が悪くなってしまった。 全身が締め付けられる様な感じで、シンナー臭もまだ残っている。一番後ろに座ってしまったので揺れも強い。
降りよ。
3駅先のバス停で降りて、歩いて帰ってきた。 猫バス、車酔いである。
帰り道、すれ違う人たちが「あっ、イエティ」とか「チューバッカ」とか言っているのが聞こえた。
猫バスなのに。
ナマハゲでもないし。