デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


ちしきの金曜日
 
雨つぶツアー


中継点4: 水再生センター


落合水再生センター。

新宿区の落合水再生センターというところにやってきた。

ここは下水道管をつうじてやってきた水をきれいにする場所だ。きれいになった水は、神田川や、一部目黒川などにも流しているらしい。



水再生センター内の、反応槽の模型。水中の微生物を酸素で元気にして、汚れを食べてもらう。


中を見させていただいたところ、水をきれいにする仕組みの要点のひとつは、途中で水に空気を入れて、元気になった微生物に水中の汚れを食べてもらうということだった。

全体的に、「しずかに水をためる」とか「砂でろ過する」とかの工程がおおかったように思う。「水をためる」とだけ聞くと、自分でもできそう、とか思ってしまうけど、そうではないのだ。


処理前後の水を比較したところ。最初はにごって見通せなかった水が、

こんなに綺麗に! どうですか奥さま。


中継点5: 放流地点


高田馬場分水路。水再生センターできれいになった水はここに放流される。

そして、水再生センターを通ってきた水はここで川に流される。

あとは、このまま神田川から隅田川にそそぎ、東京湾に流れ出て、蒸発して雲になり、再び雨つぶとして地上に降り注ぐという輪廻を、雨つぶドリッピーはたどることになる。

 

川の水はどこから来るか

話はちょっと変わるけど、水再生センターの職員の方によると、神田川の場合、水再生センターから放流された水はここより下流の水全体の9割にもなるらしい。

つまり、もともとの神田川の流れは残りの1割だけということになるのだ。

そしてさらに、その残り1割すらももう自然のものではないのだという。

神田川の源流となる井の頭池の湧き水は、じつは30年ほど前から枯れてしまっていて、現在ではいくつかのポンプによって地下水を引き上げ、人工的に湧き水を作っている状況らしい。


神田川の源流となる湧き水も・・

今ではこのポンプ室などから汲み上げられている。


つまり神田川はもはや人間の手なしには流れないのだ。

そしてこれはなにも神田川にかぎったことではなくて、都会の川ぜんぱんで見られることなのだという。

なぜ、都会の川は枯れてしまってきているのか。答えはやはり雨つぶのドリッピーがにぎっているのだ。

 

< もどる ▽この特集のトップへ つぎへ >

 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 


個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.