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特集


フェティッシュの火曜日
 
伊勢崎は『ヤキマンの町』らしい

「焼きまんじゅう」。その名のとおり「まんじゅうを焼いたもの」とお思いだろうが、私たち群馬県人にとってそれは特別な意味を持つ。

インターネットフリー百科事典「Wikipedia」によれば、それは「群馬県だけで発達した」食べ物であり、「県外の人には口に合わないようである」とまで書かれている。うーん、百科事典でその言われ方だ。

しかしこれこそ、ちまたでいうところの「地方B級グルメ」の名にふさわしい食べ物ではないだろうか。

そんな群馬県人の心に(だけ?)響く焼きまんじゅう。その焼きまんじゅうを愛好会を作ったり祭りにしたりして、堂々「ヤキマンの町」と名乗る、群馬県伊勢崎市。その町を訪ねて、口の周りを甘味噌ダレまみれにしてきました。

乙幡 啓子

他県人よ、これが「焼きまんじゅう」だ!

どうだ、こういうビジュアルなのだ。五平餅とかの感覚に近いかもしれない。
江戸時代から親しまれてきた、群馬の数ある粉食文化の一端を担う食べ物。それが焼きまんじゅう。

以下、基本的特徴を箇条書きにすると、

・3個ないし4個が串にささっている。
・まんじゅうは、素のまんじゅうを蒸したもの。
・甘ーく味付けした味噌ダレを付けながら焼く。
・冷めるとすごく固くなる。
・味噌ダレなのに、なんとアンコ入りもある。


関東らしい、味の濃そうな見た目ですな。
焼くのはほんとに素まんじゅう。

昔は実家でも、母がよく近所の焼きまんじゅう屋で買って来てよく食べていた。正直、私はそこまでは焼きまんじゅうフリークではなかった(そんなこと言うと以後の記事が書きづらい気もするが、まあそれは置いといて)。焼きたてのを1個分けてもらってほくほく食べるとうまかった、という記憶はある。

本当に、どこにでもある、普段着の食べ物だと思っていた。が、上京して周囲に「焼きまんじゅう」の話をしても、通じたことはただの1度もなかった。「何それ」で終わった。

 

さすが免許取得率全国一

自分にとっては、新たに「焼きまんじゅう」発見の旅に出る、という気分である。

浅草から急行りょうもう号で1時間20分、太田で普通列車に乗り換え25分。伊勢崎駅からは、高校時代からの友人でもあり、伊勢崎に勤めるKさんに車での道案内をお願いする。他、「焼きまんじゅう?知らん」という他県人のI 氏に取材同行してもらい、ぜひ味の感想など聞いてみることにしよう。


関東平野の果て。伊勢崎市内を走る。
曇っているのがまた群馬らしい。

ちなみに右上の写真のキャプションは、上京してからこっちの友人が言っていた「群馬の印象」だ。「群馬っていつも曇り、って感じがする」と。

私が言うのはいいが、他県人には言われたくない。この気持ち、わかるかい?

それにしても、Kさんに車出してもらって本当によかった。事前にインターネットで店の場所など確認していたのだが、いかんせんここは群馬だ。広い。店と店の間がそうとう離れている。車移動が基本の町だ。てくてく「食べ歩き」にはちょっとハードルが高い。

車を走らせていると、ぽつぽつと「焼きまんじゅう」の看板が目に飛び込んでくる。


たこ焼き・うどんなどにナチュラルに混じって。
ここは「名物」を意識。看板の形状も、まんじゅう。
駄菓子屋的な店も普通に焼いてます。
これはパチンコ屋、本文と関係なし。地方のパチンコ屋は「?!」と思わず振り返りたい造形ばかりだ。

ちなみに、Kさんに「伊勢崎は焼きまんじゅうの町なんだって!」と聞いたが、「そうなん?!へぇ・・・」という答えが返ってきた。

この取材、大丈夫か。


 

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