青森県八戸市周辺で食べられている「せんべい汁」の存在を知ったのは、ごく最近のことだ。
せんぺい汁とは、肉や魚で取ったスープで野菜やキノコを煮て醤油や味噌で味を付けた後、せんべいを割り入れ、軽く煮込んだものだという。
私にはとって「せんべい=お菓子」である。私に限らず、多くの皆さんもそういう認識だと思う。それが、煮込むって。せんべいを煮込むって。
まったく味の想像がつかない。「だったら食べに行くまでよ」とばかり、八戸に行ってきました。
(高瀬 克子)
イカの街だった
このゴールデンウィークは秋田の実家に帰っていた。八戸には、そのついでに行こうと思っていたのだが、これが全く「ついで」じゃなかった。
東京から新幹線で向かった方が早いんじゃないかと思うほど、秋田からは時間がかかる。東北はデカイ。
なんとか無事に八戸に着き駅の改札を出た途端、目に飛び込んできた光景は、こんなだった。
♪イカ イカ イカ イカ 八戸の〜 イカはうまいぞ、日本〜い〜ちぃ〜
その場に数分いただけで、すっかり覚えてしまった。どうやら八戸はイカの水揚げ量が日本一らしい。
そうか、せんべい汁よりも、まずはイカなのだな。いや、イカも大変に魅力的だが、今回は目的が違う。「いざ!せんべい汁!」とばかりに、駅を出たのだが…
つくづく、イカの街なのだ。
大のイカ好きだけに、そっち方向へフラフラと歩み寄りそうになるのをグッと堪え、せんべい汁の情報を集めようと観光案内所へ向かった。すると、大変に立派なリーフレットを発見。
実は「行けばなんとかなるだろう」と、なんの情報収集もせずに来てしまっただけに、このリーフレットの存在は非常にありがたかった。
八戸の繁華街は、新幹線の到着する駅からは少し離れた場所にあるため、繁華街行きのバスを待つ間、駅に隣接するユートリーという建物に入って時間を潰すことに。
リーフレットによると、せんべい汁に入れるのは「おつゆせんべい」や「白せんべい」と呼ばれ、お菓子として食べる南部せんべいとは種類が異なるらしい。
そうかそうか、などと思いながら、せんべい汁への気持ちを盛り上げつつ館内をブラついていたところ、こんな物を発見。
イカからせんべい汁へ気持ちをシフトした途端にコレだ。愛されてるなぁ、イカ…。
あ、そろそろバスが来る。さっそく乗り込もう。