プラコップ。 アウトドアなどで重宝する透明なコップだ。リサイクルも出来るし、便利べんり。
で、それを焼くと簡単にプラ板が出来るらしい。 ネームプレートやかわいいストラップ、いっそ付け爪でネイルアートなんてどうだろう、と始めた実験は、光る耳かきというところに着地した。
なんでやねん。
その顛末をここに記そう。
(佐倉 美穂)
プラ板作り
小学生の頃、トースターで温めると縮んで厚みも出て丈夫になる、自分オリジナルなキーホルダーの元があった。 そりゃあもう大喜びでトースターの中で変形してゆくさまに見入っていた。
それと同じことがプラカップでできるらしいと知り、飛びついた。幼少期のときめきよプレイバック。
仕入れた情報では、それでコースターを作ったりしよう、といったもので、真っ平らにも、自分である程度の加工もできそうな感じだった。
ではとりあえずイラストを書いて、どんな風に仕上がるか試してみよう。
イラストや文字は縮むことや方向も考え、出来上がりを予想して描きましょう。
これをトースターで温めればいいのだが、ウチの電子レンジにはトースター機能が無かった。がーん。 最近買い替えたハイテクで回らないヤツなのに。
説明書を読むと、パンをグリル機能でトーストしていたので、おそらくグリルでいいのだろう。うん。
3,4分でみるみる変形し、ひしゃげてゆく。取り出し時期はジャストナウか?
アツアツのZくんを軍手をはめた手で取りだし、急いで電話帳で挟む。
レンジから取り出した時は、熱い状態でも硬さが残っており、平らになってくれるのか不安だった。 とりあえず電話帳の上に正座して自ら重しになり、頃合いを見計らって開いてみると、そこには……!
なによこれ。映画スクリームじゃないんだから。 こんなんじゃネームプレートやかわいいストラップ、付け爪でネイルアートなんてできるわけがないじゃないか。 ふん、グリルがいけないんだ。グリルめ。
妙にアーティスティックなZくん、冷めるとガチガチに硬く、端も「オレは厚いプラスチックだ! もう曲がりはせん!」と主張しているようだ。
この端の硬いカーブは何かに使えないだろうか。
……あ、耳かきだ。 私はかさかさ耳なので、マイルドな耳かきよりこれくらいエッジの効いてるやつが欲しかったのだ。