「お父さんね、畑に行ってる」とのこと。父は定年後の第二の職場で、職場名義で畑を借りて世話をしており、最近その熱がやけに上がっている。
私の帰宅が4時近くになったからというせいもあるが、気が抜けた。抜けて眠くなったので1時間半ほど部屋で仮眠をとる。
父、帰る―なんか土産付き
起きてボーッと下へ降りていったが、5時半にもなるのにまだ父は帰っていなかった。
冒頭の「約束」の話でもしよう。いや、たいしたことじゃないんだが、大学を出て就職したあかつきに父の好物のうなぎを初任給でおごる、というものだ。
学生時代お金の面でいろいろお世話になったそのお返しに、せめてもの恩返し。いい娘だ。
でもいざ初任給が入り連絡してみると、「まあ、それはいずれ楽しみにしてるから、貯金しなさい」と言われた。その後も、何回か転職し、デイリーポータルZの初ギャランティーなども出たりするたび「うなぎを・・・」ともちかけるも、「まあ、とっときなさい」と言われ、今に至った。
7時近くなって、やっと父は帰ってきた。「ほれ」とテーブルの上に何か置いた。 |