強いぞ、霜
1時間が経過した。ドアの隙間からは相変わらず細く水がこぼれている。もしかしたらもう全部融けて水になっちゃったんじゃないか、だとしたらドアを開けたらどばーって洪水だったりして。などとびくつきながら開けてみた。するとびっくり。
ぜんぜん変わってないじゃないか。しいていえばちょっと表面がてかてかしてきたくらいだ。おそらく電源を切っても中の氷があまりに大きいので、自分で自分を冷やして生き残っていたのだろう。すごい生命力だ、感動した。しかしここは断固たる姿勢で臨みたい。
それではここから氷の時代の夜明けを目指す。まずはドライヤーで温めながらドライバーでがしがし削っていく。ここでウェブマスター林さんの言葉を思い出した。
「僕の親戚はアイスピックで壁を刺してガスを出してしまいました。」
オチとしては面白いが、新しいのなんて買えないのでそこまで体張ったことはできない。しばらく地道に氷の彫刻だ。
しかしきりがない。壁を突かないように慎重に削っているせいか、まったく先が見えないのだ。なにより手が冷たい。そこで新しい道具を持ち込んだ。バーナーだ。ゴー、という派手な音と力強い青い炎が頼もしい(たぶん危ないのでやらないほうがいいです)。
そのかいあって、でかいやつが一つ落ちてきた。今回は内部の氷の量を測るため、全てを一度プラスチック容器に溜めることにしている。
バーナーは確かにパワフルだが、パワフルすぎて所々壁を焦がしてしまった。そのまま着火して燃え上がったりしたらいやなのでこのへんでやめたい。次に試したのは電動ドリルだ。
これもなかなかにパワフルだったのだけれど、細くて深い穴が開くだけで全体を取り除くという今回の任務には不向きなようだった(これも危ないので取り扱いには注意しましょう)。
前半戦終了
そんなこんなで格闘すること2時間。ようやく下2段の霜がほぼ取れた。ここまでですでにプラスチック容器に溜まった氷がいっぱいになっている。いったいこの冷凍庫はどれだけの水分を抱えていたというのか。
ここで霜取りのワンポイント注意。作業中、忘れてはならないのが最下段に溜まる雪融け水だ。いつのまにかいっぱいになり、堰を切って床に広がっている。今回も気がつくと足元がびちゃびちゃだった。
氷を砕く手段としては、いろいろ試した結果、やっぱりドライヤーで温めながらドライバーで突くのが一番効率が良いということで落ち着いた。地道が一番なのだ。
巨星落つ
作業開始から約3時間半後(途中で一度昼食休憩を取ったが)、ついに巨大なツララをともなった最上部の巨大な氷の塊が落下した。こいつの一番壁側は2年前にできたやつなのだ。そう思うと感慨ひとしおだった。
持ち上げるとかなり重い。これだけでゆうに1キロ以上ありそうだ。
でかいやつが落ちると、あとは意外ともろかった。ここまでくるともうドライバーを使うのは壁を傷つけそうで怖いので、専ら素手の作業になる。
そして作業開始から約4時間が経過。うちの冷凍庫の氷河期が終わった。
水分多すぎ
回収された氷がこちら。まさにてんこもり。全て融けてからメスカップで容量を測ったら約15リットルあった。2年間放っておいた冷凍庫の水分、約15リットル。ブーンブーン、スイブーン。
霜を落とした冷凍庫はこれまでの5倍くらいの収納力がありました。