除幕式とテープカットとくす玉割り、3大いつかやってみたいことである。今回は除幕式をとりあげたい。
記念碑などにかけてある幕をひっぱる儀式である。
いつ除幕式に呼ばれるかわからない。またはいつ除幕式を準備する側になるかもわからない。
そんなときに慌てなくてもいいように自ら除幕式を行い、そこで体得したコツをご報告します。
(林 雄司)
除幕式の準備
除幕式の準備はあっさりと蒲田のユザワヤで完了した。
「文化祭の定番」と書かれていた最も安いサテンの生地を購入。高い生地はざらっとした質感があるものが多く、除幕式のするすると幕が落ちる演出に向いていない。紅白のロープと記章もあっさり売っていた。
除幕式の準備は整った。
ではさっそく除幕って行こう
手始めに公園でファースト除幕式を行った。人生初の除幕式だ。除幕式の除幕式とも言える。
除幕式は禁止されていない
プレーンな状態の公園が「野球サッカーゴルフ禁止」になった瞬間である。僕が除幕したあとではもう野球はできない。除幕式には場の意味を変えてしまう働きもある。魔法といっても過言ではあるまい。
惜しむらくは幕の掛かりかたがいまひとつ適当なところ。子どもを遊ばせていたお父さん二人に囲まれていたのが原因かもしれない。
わかったこと1:幕はちゃんとかけろ
あらたな除幕物件を探して歩いていると除幕式をしてくださいと言わんばかりのオブジェを発見。
電力会社のマークがついているのでなにかの配電盤か制御機器だろう。きっとこの機器がないと近隣の家に電気が供給されなくなってしまうのではないか。そんな重要な機器が人知れずたたずんでいる。まさに ささやかだけど大切なものである。
市井の生活にこそリアルがあると考えている筆者としてはこの「よくわかんないけど四角い機器」を祝福すべきだと判断した。
おめでとう、よくわかんない四角い機器
除幕式の最中、通り過ぎた子どもが「あ、除幕式だ」と言っていた。しかし近くにいたお父さんが「違うよ」と否定していた。どちらも正しい。
わかったこと2:子どもは信じる
さて次に町を火からまもる道祖神、消火器の除幕式を執り行った。
幕に比べて消火器は小さい。ひっぱった幕が地面につかないように身をよじったら、手品のようになってしまった。「ワン・ツー・スリーで消火器!」というセリフが似合いそうだ。主役が消火器ではなく僕になってしまった。ちがう、そうではない。
わかったこと3:身をよじると手品っぽい
布かぶせて引っ張ればいいんだろ、と考えていた除幕式にもさまざまなノウハウがあることがわかった。しかしこれで終わりではなくまだ続くのである。