今年もまた花粉症の季節がやって来た。昨年は「花粉症でも外で飲み食い出来るマスクを作る」という企画で、花粉症用マスクの機能性向上を試みた。そして今年、僕が目指すのは「セクシーなマスク」である。みんなのマスクとはひと味違う、ちょっとセクシーなマスクたち。いずれもマストバイな逸品ばかりです。(売り物じゃないけど)
(text by 住 正徳)
セクシーな布地を集める
セクシーなマスクを作るためにはセクシーな布地が必要だ。蒲田のユザワヤ服地館でセクシーな布地を探す事にした。ユザワヤにはどんな布だって売っているのだ。セクシーな布地だってきっと沢山あるはずだ。
店内を物色して「これはセクシー!」と思える布地を5、6種類選んだ。中には、マスクの素材として適切なのか? と首を傾げたくなるような布地もあるが、今回は「セクシーであるか」という点が重要なのだ。多少マスク向きじゃない布地であっても我慢しよう。お洒落は我慢、と誰かが言っていたような気がする。
作るのはマスクなので布地はそんなに沢山いらない。売ってもらえる最小サイズで裁断していただいた。自分の店の商品が、これからセクシーなマスクに生まれ変わろうとしていることを店員さんは知るよしもない。 セクシーな布地を持ち帰り、作業に入る。
まずは布地をマスクに適したサイズに裁断する。普段かけているセクシーじゃないマスクのサイズを計ると、縦9センチ、横12センチであった。縦、横ともに2センチ余白を作って布地をカットした。 セクシーな布地は、柔らかかったり伸縮性が高かったりして、とても裁断しづらい。そう簡単にはセクシーにはなれないのだ。
裁断した布地をミシンで縫っていく。
布地の色に合わせて3色の下糸を作った。下糸作りが完了したら、今度は上糸を針に通す。 糸の準備が整ったので、あとはガシガシ縫っていくだけだ。
裁断の段階で扱いづらい布地だったので、縫っていくのは更に面倒であった。布の滑りが悪く、すぐによれよれしてしまうのだ。滑りやすい布を上に当てがいながら慎重に縫い目を重ねていく。
扱いづらい布地と格闘すること1時間半、なんとか縫い終わった。 マスク用のゴムを両端に通して、セクシーなマスクたちの完成である。
セクシーNO.1:水着風
光沢のあるラメ素材を採用し、水着風なテイストを実現。
セクシーNO.2:ボンテージ
ボンテージファッションの雰囲気を出す為に、エナメル素材を採用。思わず「フォー!」と叫びたくなるほど、セクシーな逸品である。
セクシーNO.3:レース
バラの花をモチーフとしたレース柄を採用。レースの奥にうっすらと透ける鼻と口がなんとも言えずセクシーである。
セクシーNO.4:シースルー
レースよりも更に透けるシースルー素材を採用。一見素肌に見紛うほどの透け具合は、ワンランク上のセクシーアイテムである。
セクシーNO.5:アニマル
イメージは女豹。ワイルド・アンド・セクシーをテーマに、攻めの姿勢で大胆に。
セクシーNO.6:アニマル(小)
必要最低限の布量でマスクを作った。グラビア写真でたまに見かける「ほとんど見えちゃってるじゃん!」という異様に小さいビキニをイメージしている。
布以外でセクシーを
ここまでは布地でセクシーなマスクを作ってきたが、次は別の素材を使ってみようと思う。用意したのはホタテ貝である。そう、グラビアアイドルの第一人者、武田久美子さんへのオマージュである。ホタテ貝をビキニ代わりとした写真集の衝撃は、発売から20年近く経った今でもまったく色褪せていない。 あのセクシーアイテムをマスクに応用しようと考えたのだ。
スーパーで貝殻付きのホタテ貝を購入した。1個280円。 この貝殻をマスクにする。
白く色を塗ったホタテの貝殻にゴムを取り付け、セクシーなマスク貝殻バージョンが完成した。
もはやセクシーなのか何なのか分からなくなってしまった。マスクでもないですし。
いずれにしても、ホタテ貝のマスクはとても生臭いので注意が必要です。