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ロマンの木曜日
 
魚介をたくさん食べられる店
いや好きですけども


「アワビが大漁で困っています」
というメールを喜々として開いたことがある。
ロリロリ武藤さんという、知らない人からだ。

そんな、サルでもわかるスパムメールにカンタンにひっかかってしまうほど、私はアワビが大好物。 アソビとアワビが一字違いということにこの上ない幸せを感じるほど大好きなのだ。

「魚介類をたらふく食べに行こう」
と言われ、ついて行かないわけがないだろう。

(text by 土屋 遊



福ちゃんルールに武者ぶるい

誘ってくださったのは、友人の神田ぱんさん。前回も彼女に騙され、伊勢までのこのこついて行った。ここは注意が必要だ。用心に用心を重ね、店の名前をたずねたら「魚がし 福ちゃん」だと教えてくれた。

事前調査を開始(ネットで)。次からつぎに、大量に盛られた魚介類の写真があらわれてきた。たしかに"たらふく"に偽わりはない。そして、貴重な福ちゃんルールも入手した。

・オーダーは最初の一回のみ
・全メニュー特価
・時間制限1時間半
・携帯電話の使用禁止

世界中のすべてのルールがきらいだと思ってきたが、これは特別。店主(おそらく福ちゃん)の、ゆるぎない自信に満ちみちていた。



わかりやすいオススメメニュー
やや拍子抜けしたお漬物

遅刻は命取りだ

遅刻はぜったいに許されない。参加者らは許してくれても私が私を許さない。なにしろ『オーダーは最初の一回のみ』これを逃したらもう二度と頼めないのだ。私のアワビが。

なので神田ぱんさんに家まで迎えに来てもらい、無事この危機を乗り越えることができた。ありがとう、神田ぱんさん。でも多分、私にブーブー文句を言われるのがいやなだけだろう。

 

タラバガニバーに歓迎をうける

店先は思ったよりもせまい印象だった。1階のカウンターにはドドーンドドーンとデカ級タラバガニが列をなしている。デザイナー家具としてアート界で話題になりそうなタラバガニバーだ。超クール。

超クールではない私たちは2階へ通された。すでに3人の同志が待ちかまえていた。よくある居酒屋のお座敷だが、今からこの平凡なシーンに、めったにない光景が展開されるはずだ。

 

商売っけなしのウエイトレスこと

おばちゃん。
ウワサには聞いていた。アレもコレもと注文すると「そろそろこのへんでやめといたほうがいいわよ」と、初心者にもうれしい接客だという。食えそう(な人)食えなさそう(な人)も、長年の直感で瞬時に見極めるのだろう。私たちはほかのテーブル席よりも大目に注文したようだ。「まあこの辺でちょうどいいんじゃない?」と実にてきぱきとしている。安心して任せられた。


前菜のインパクト

それでは、 私たちがオーダーしたメインものを、順にごらんいただくことにしよう。ネタバレみたいで恐縮だが、じつは私はまだ当日の「魚介パニック」から脱しておらず、写真を載せることさえ躊躇しているありさまだ。載せるけど。

拍子抜けした漬物の次にでてきたのは、神田ぱんが注文した前菜ことサラダ。誰が注文したかは読者には関係ないが、のちにこのことが重要な切り札になるのだ。

大量のカニのほぐし身が、タマゴの下に埋もれている。自信の証がこんなところにも。


タマゴだけでも、3、4コは乗っていただろうか……

次は、私が是が非でも、と頼んだ「貝盛り」。アワビにサザエ、赤貝、ほたて、ホッキ貝、トリ貝、そしてシャコ。このために遅刻をしなかったのだ。


皿からはみ出しそうな貝づくしを、私は今まで見たことはない

やや不満である。写真ではどうも、「奇声を発するほどの」大きさが感じられない。

しかたないので、サザエ、ほぼ実寸をお目にかけたい。実は、アワビの次にまたは同ランクに好きな食べ物がサザエなのだ。


サザエマニアといえども、ここまでの大きさは初体験

 

 
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