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はっけんの水曜日
 
手作りナンプラーはどうなった?
1年がかりの結果にむせび泣き。


 去年の7月に公開した「腐るか否か、手作りナンプラー」という記事を覚えていますか?実家の干物屋で出た魚の内臓を塩漬けにしてナンプラーを作ってみようという記事です。

 ナンプラーを仕込んだのが去年の6月末。大体1年で出来ると聞いていたので、そろそろ良いかと思い先日代々木公園で開かれたタイフェスティバルに持って行きました。

今回は、手作りナンプラーの味はどうだったかという話です。

(text by 松本 圭司

8月。層が別れている。気持ち悪い。可愛くもない。
キモカワいくない。

■1年間玄関に置いてあった

去年仕込んで約1年。ナンプラーっぽいものを入れた瓶はずっと玄関に置いてあった。部屋だと夏は日当たりが良すぎて暑いし、第一邪魔なので玄関に置いていたのだ。

玄関に黄色いものを置くと良いとかコパさんなら言い出しそうだが、発酵した魚の内臓を置くってのは風水的にどうなのだろうか。

10月。日の光に透かすと赤い。血の色か?

たまに明るいところで見て出来具合をチェックしていたのだが、1年を通してほとんど見た目は変わらなかった。

どうも最初の1ヶ月くらいで状態が固定された様だ。ビンの底に異様な量の塩が沈んでいたりして気になるが、そのままにしておいた。

調べたところ、ナンプラーは最後に漉(こ)して液体部分を取り出してから数ヶ月熟成させるのらしい。写真の赤い透明部分だけを取り出すのだ。

が、どうにも漉す作業をやりたくなくてズルズルしているうちに冬が終わって春になってしまった。マズイ。タイフェスティバルの日が近づいてきた。

4月末になってようやく漉し作業を始めた。

 

■えずきながら漉す

4月末のある夜。重い気を引きずりながら漉し作業を始めた。あんまり嫌で、酒をしこたま飲んで酔っぱらって作業を始めた。シラフじゃ出来ない。なぜかというと、あまりに臭いからだ。強力にクサヤの臭いがする。


蓋を開けるとクサヤの臭い。
クサヤは好きだが強すぎる臭いが辛い。

穴あきボールにふきんを敷いて漉す。

案外固形部分もあった。臭いが強烈。

なんだか凄い色だ。本当に食べ物か?

蓋を開けるとモワーンと臭い立ち、内容物をボールに開けると台所全体がクサヤの強烈な臭いで満たされた。慌てて換気扇を廻して臭さを部屋の外に追い出した。近所迷惑も良いところである。異臭騒ぎで通報されても文句は言えない。

 

コーヒーフィルターを二重にして漉した。

■何度も何度も漉した

元々の原料は脂がのった鯵の内臓である。内臓にも当然脂がのっているので、この汁も相当に脂が含まれていた。

茶色い油がフィルター役のふきんにベッタリ残っていた。ふきんを何度も洗って何度も漉した。

何度か漉した後も、ふきんのフィルター能力では取りきれない脂が残った。最後はコーヒーのフィルターで漉した。そうして、どうにか1.5リットルのナンプラーらしき液体を精製する事が出来た。


合わせて約1.5リットル。内臓2.5kgと塩1kgから出来た。

 

■持って行く準備をしよう

タイフェスに持って行ってタイフードにナンプラーを付けて食べてみようというのが今回の趣旨だ。そこで、本物のナンプラーと作ったナンプラーを小瓶に入れて持って行くことにした。これで味を比べてみればいい。友達も一緒に行くことになってるので味見をしてもらおう。

ところで、この時点では僕もまだ味見をしてない。


緑のキャップが自作ナンプラー。

漉した後の自作ナンプラーは臭いも落ち着いて、透明で結構イケそうな雰囲気だった。魚のうま味の臭いがする。これは美味しいのかも知れない。果たして味はどうなのか。

それは次のページで明らかになる。


 

 
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