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ちしきの金曜日
 
何かが違うレアなチェーン店巡り
 


 きっかけは、たまたま通りかかった道で見かけた、見慣れているのに何かが違う看板だった。右の写真がそうだ。

 おなじみのガストなのだが、「ハンバーグガスト」となっているではないか。確かにハンバーグはガストの看板メニューだと思うが、それに特化した店なのだろうか。

 調べてみると、メジャーなチェーン店が新たな特徴を押し出したり、実験的な意味合いをもたせたりして出店するというケースはいくつかあるようだ。

 なじみの店なのにどこか気になる。今回はそんな店たちを巡ってきました。

小野法師丸



●ハンバーグと聞いただけで笑顔

  車で移動中、何の気なしに窓の外を見ていて気になった「ハンバーグガスト」なる店の看板。よく知ってるガストとちょっと違う。ちょうどおなかも空いているということで、入ってみた。


見慣れないメガネをかけたあの娘のようなガスト
メニューでもハンバーグのシズル感で勝負

 このハンバーグガスト、すかいらーくグループが展開するガストの新しいタイプの店として、最近出来始めているらしい。この記事を書いている時点で、東京・神奈川・千葉・埼玉に8店舗あるようだ。

 レアガストと言ってもよさそうなこの店、その名の通りハンバーグを前面に押し出しているようで、メニューでもハンバーグのうまそうさを表現するためだけに1ページ割いている。


充実のハンバーグメニュー
これでもかこれでもかとハンバーグ

 具体的なメニューもかなりの充実度を誇るハンバーグ。ハンバーグ一押し、ではあってもハンバーグ専門ではないようで、パスタなどの一般的なファミレスメニューもそろっているのだが、もちろんここはハンバーグを食べたい。

 特徴的なのはハンバーグの大きさが選べるようになっていることだろうか。グラム数を選べるのだ。


がまんできずにあふれ出した肉汁

 今回注文したのは、一番シンプルな「GGハンバーグ」のラージサイズ(300g)。実際に食べてみると、今までガストで食べてきたのとはちょっと違う気がする。うまいのだ。

 まあ私はハンバーグを食べると大抵うまいと思ってしまうので、差異の有無にはちょっと自信がないのだが、とにかくおいしくいただけたハンバーグだった。

 

●ほんとに専門化した吉野家

 レアなチェーン店があることに気づき、調べて訪れたのは秋葉原にあるおなじみの牛丼店、吉野家だ。


なんか違うぞ

 一般的な吉野家との違いがおわかりになるだろうか。入口上部分が普通の店ではオレンジと白の看板になっているのに対し、この店は木でできたように見えるものとなっている。

 その看板をさらによく見ると、内容面での違いもわかる。


左側にある「牛丼専門」の表示
店内でもきっぱりと宣言

 牛丼専門の吉野家なのだ。と言っても、はじめはあまりピンとこなかった。吉野家と言えば牛丼、というイメージを強く抱いていたからだ。

 しかしそういえば、最近は定食などのいろいろなメニューもあったはず。その部分を捨て去った店なのだ。


いつも通り安心のうまさ

 東京都内には数店舗のみあるこの業態のお店。現在、一般的な吉野家では牛丼を販売している時間帯が昼12時から深夜0時までと限定されているようだが、ここでは24時間食べられるというのも魅力となる。

 ただ、取材中牛丼を食べていると、あとから入ってきた客で座るなり「豚生姜焼き定食!」と注文している人もいた。

 店員の「当店は牛丼専門でして…」との説明に、ちょっと落ち込んだように「じゃあ並を…」と注文していたので、牛丼以外を食べたいときには注意が必要だ。

 

●有名チェーン店を前面に出さずに展開

 これまでの店はすでに知られている店を少し変えて出店しているというケースだった。しかし、有名なチェーン店を経営する企業が、それを前に出さず新しく実験的に店を出すというケースもあるようだ。


京成電鉄・青砥駅の改札前にあるらしい
初めて聞く人も多いのでは

 そうした店の一例が、タコスやハンバーガーのファストフード「イート・ラン」だ。

 この店、イタリアンレストランチェーン店のサイゼリヤが出している店であるらしい。(サイゼリヤは四国・九州・沖縄には出店していないようなので、その地区のみなさんにはなじみがなくて申し訳ないのだが、安くておいしい店なのでどこかで見かけたらぜひ立ち寄ってみてください。)

 多くの人は「よく知らないマイナーな店だな」と思ってしまいがちでもありそうなこの店。まだ3店舗しかないようなので、そう感じるのも無理はないと思う。


一番高いバーガーでも180円
特徴的なのはタコス

 手頃な値段でハンバーガーに加え、この手の店ではあまり見かけないタコスも食べられるのが特徴。もちろんセットメニューもそろっていてお得だ。


ミートタコスセット・340円
野菜やチーズもうまいよ

 今回食べてみたのはミートタコスセット。食べるとやわらかい皮と野菜やミートソースといった具材が混ざっておいしい。

 フライドポテトは、薄い衣のようなものがついているタイプ。カリカリとした食感が他の似たようなお店のものとは違うので、ぜひ一度食べてみていただきたい。

 

●とんかつチェーンが展開するどんぶり物

 続いてやってきたのは、とんかつの「和幸」だ。こちらも主に関東のチェーンで申し訳ないのだが、関東の方には和幸といえばとんかつ、というのはかなり根付いていると思う。


よく知ってる方の和幸
なんかちょっと違う和幸

 今回訪れた北千住駅の駅ビル・ルミネには、なじみのとんかつ和幸が入っている。しかし同じフロアにはさらに、「豚丼」と掲げた見慣れない和幸があるのだ。

 「和幸」とちゃっちゃく書いてあるこの店。牛丼チェーンで置いてある豚丼の専門店なのだろうか。


いわゆるローカルフードだろうか

 というわけではなく、北海道・帯広の名物としての「豚丼」を出す店であるらしい。

 牛丼の代替といった意味合いで登場したチェーン店の豚丼とはまた別の豚丼なのだと思う。いわゆるローカルフードを提供する店という風と言ってもよいだろう。


松竹梅の3ランク
うまそうとしか言いようがないたたずまい

 メニューの豚丼には松竹梅の設定がある。乗っている豚肉がそれぞれ5枚・4枚・3枚、というわかりやすい違いだ。

 今回は最も肉が少ない梅を頼んでみたが、それでもなかなかのボリューム。ホームページには「味はうな重のうなぎが豚肉になったものだと思ってください」と書いてあるが、その表現は確かに的を射ていると思う。おいしくいただきました。

イート・ランで見かけたすごい構成のお徳用パック

 夜中に原稿を書いているのだが、おなかが空いてきてしまって仕方がない。どの店もおいしかった。

 意外でレアなチェーン店巡り。その希少性から、高級店ではなくても、なんとなく特別な感じが味わえるという意味でも楽しめる店だと思う。


 
 
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