3:コピー指
偽造といえばコピーだ。
今ではコピー機も、お札の複写など容易にはできない仕組みになっている。今回、このプロジェクトに成功すれば近い将来「指紋コピー」も禁止される可能性もある。
防犯対策の貢献者として表彰されることもあるかもしれない。身の引きしまる思いだ。
4:型どり
コピーの結果を報告するまえに、型どりにも挑戦した記録をお見せしたい。
周辺の社員も指認には日頃から恨みがあるようで、よろこんで制作に協力してくれた。
さて結果は……
完全なるコピーも惨敗だった。やはり指紋の凹凸が影響しているのだろう。
ならば、と挑んだ型どり指紋だが、これにも指認はビクともしない。無表情に「ピピピッ」とダメサインを鳴らすだけだった。
指認のクセに……。
私は最後の切り札で反則ワザにでることにした。
彫り物(消しゴムはんこ)を登録して、それを認証させるのだ。指紋ではなく、ほり消し認証だ。