「仕事柄っていうのも変なんだけど、自主映画絡みでケンカってのがいろいろあって」
−−それは撮影の現場で?
「そうです。自主制作なんでプロの現場じゃないですから、キャストやスタッフ達は監督の「信頼関係」だけで現場きてますから。もし監督自身がだらしないとそれだけで現場がムチャクチャになりますよ。自分とか昔は撮影の段取りが悪くてスタッフからあーだこーだ言われて。自分が演出指示だしても動かなくなって各個人が勝手に動き出しちゃって。それでもうガマンできなくて「もうこの撮影ヤメ!」って逆ギレして現場飛び出したりして」
−−やっぱり自主映画でも現場は大変なんですね。
「まだ撮影現場でケンカになる位ならいいんですけど、撮影が終わった後のケンカがもっとキツイですよ。編集した映像みて「イメージしてたものと違う」とか「全然きれいに撮れてないじゃん」とか。それで、また撮り直しとかなるともう予算と時間の無駄使いというか…映画撮るモチベーションがどんどん下がっちゃう」
−−撮り終わったものを後から言われるのはキツいですね。
「もっと酷いと「この映画、絶対上映するな!」みたいな抗議があったりとか。ま、これは自分がわざとバカ映画だと教えないで撮ってしまった結果なんですけど」
−−全然バカ映画だと説明なしだと怒りますよね、そりゃ。
「だからそれ以降は、必ず前持って「バカ映画です」と説明することにしてる。あとはあんまりケンカの元を作らないようスタッフキャストを最小限にしたりとか。自分の性格からあんまり怒らないっていうか、だいたい溜めるんですよ。ケンカするだけ無駄ってのが分かってるんであんまり言い合うことないんですけど」
−−自分が知ってる部分の自主映画界って結構楽しそうな所だけなので意外ですね。
「自主映画って、作ろうとして結局頓挫しちゃったりとか、自分が使ってた役者が他の監督に出て成功してそれに嫉妬してとか、そういうのが渦巻いてるところなんで‥」
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