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ちしきの金曜日
 
うめぇ梅酒を作りたい

これらで梅酒を作ってみます

 梅酒が好きだ。寝る前に梅酒をロックでキュッとやる。これがたまらない。

くしくも今は梅雨。梅酒を漬ける時期である。ならばやるしかないだろう。自家製の梅酒作りを。

ただ普通の梅酒を作るだけじゃぁなんなので、どうせならいろんな酒をベースにして、オリジナルの梅酒を作ってみたらいいんじゃないかと思ったのだ。

木村 岳人



さぁ張り切って、梅酒作り

それでは、早速梅酒を仕込むことにしよう。今回用意した酒は全部で10種類。これらで梅を漬けてみて、どのような梅酒になるのか検証してみることにする。

とは言っても、10種類もの梅酒を大量に作っても飲みきれないと思うので(マズかったら嫌だし)、ここは小さい瓶で作ることにした。いわゆるひとくち梅酒、飲みきりサイズってやつだ。

最初はごはんですよの瓶を使おうと思ったのだが、さすがにごはんですよを10便とか買っても使い切れる自信が無かったので、ジャムの瓶を利用することにした(10瓶分のジャムは2週間で完食しました。ジャムうめぇ)。


煮沸消毒したジャムの空瓶 梅はヘタを取って水洗い
空瓶に梅一個と氷砂糖を投入 酒で満たして封をする

梅酒の作り方はいたってシンプル。ヘタを取った青梅を洗って乾かし、氷砂糖と一緒に煮沸消毒した瓶の中に入れ酒を投入。あとは冷暗所で寝かせておく。それだけだ。

漬け込む期間は最低でも3ヶ月は欲しいところだが、今回はとりあえずお試しとして1ヶ月でやってみることにした。梅酒としては浅漬けだが、まぁ、若いなりにもおいしさはあるだろう。

 

今回作った10種類の梅酒

さてさて、今回梅酒のベースに使った10種類の酒は、いずれも度数の高い蒸留酒。様々な種類の蒸留酒のうち、手に入りやすい代表的なものをそろえてみたつもりだ。


エントリーNo1:梅酒ベースの定番ホワイトリカー(甲類焼酎) エントリーNo2:風味の強い本格焼酎(乙類焼酎)、霧島

梅酒ベースの定番は、やっぱりホワイトリカーや焼酎だろう。

ホワイトリカーは甲類焼酎と呼ばれるものだが、その正体は穀物や糖蜜から作ったエタノールを水で薄めたもの。乙類焼酎に比べて風味が無い分、クセも無いので梅酒など果実酒のベースにはよく使われている。

反面、本格焼酎(乙類焼酎)は本来で言うところの焼酎で、原料の風味が強く、梅酒にするとより奥の深い味になる。今回使ったのは焼酎の中でも特に風味が強い芋焼酎。


エントリーNo3:ブランデー エントリーNo4:シソ焼酎、鍛高譚(たんたかたん)

続いてはブランデーと、シソ焼酎の鍛高譚(たんたかたん)。

最近の市販の梅酒にはブランデーをベースにしているものも結構あり、今やブランデーは梅酒ベース界において焼酎と双頭を担う位置にいると思う。今回使ったブランデーは安物だけれども(高いブランデーなんて手が出せないので)、まぁ梅酒のベースにするには丁度良いんじゃないだろうか。

シソ焼酎は単なるノリ。今回の企画を会議で説明したとき、シソ焼酎に梅を漬けたら梅干みたいな味になるんじゃないか、というご意見をいただいたので、実際やってみることにした。さすがに梅干にはならないとは思うが。


エントリーNo5:サトウキビから作られる、ラム エントリーNo6:草の香りがついたウォッカ、ズブロッカ

ブランデーもアリならば、きっとラムもアリだろう。原料はまぁ違うけど(ブランデーはブドウ)、同じような色してるし。というワケで、なんとなくラムもエントリー。

蒸留酒なら、ウォッカも入れるべきだ。でも、ウォッカはホワイトリカーと同じようにクセの無い酒。ただのウォッカを使ってもあまりに普通すぎて面白くないと思うので、ここはパイソングラスと呼ばれる草の香りが付いたウォッカであるズブロッカを使ってみることにした。


エントリーNo7:ネズの実が香る、ジン エントリーNo8:リュウゼツランから造られる、テキーラ

ズブロッカに続き、ジンも参戦。ジンはネズの実の匂いが独特な蒸留酒。その匂いはマツヤニのようであるため苦手な人もいるかもしれないが、私は好きなので仲間に入れた。銘柄はジンの中でも最も一般的なビーフィーター。

お次はリュウゼツランというサボテンのような、アロエのような、そんな植物から作られるメキシコの酒、テキーラ。テキーラもまたそれ自体にかなり独特な香りがある酒なのだが、いやはや、どんなものになるのだか。


エントリーNo9:国産の安ウイスキー代表、トリス エントリーNo10:スコッチ・モルト・ウイスキー、マッカラン

最後はウイスキー。国産の安ウイスキーを代表して、トリスウイスキーにエントリーしていただいた。安いわりにはおいしいと昔から親しまれているトリスだが、確かに安い(写真のスキットルサイズで250円)。これでうまい梅酒ができたらそれはそれで儲けモンだ。

もう一本はスコッチモルトのマッカラン。これまで出てきた酒と比べ、値段もうまさも頭一つ抜ける、ちょっと良い酒である。正直、梅酒にするのがもったいないくらいなのだが、思い切ってやってみた。一般的な12年のものではなく、少し安い10年のものにしたのが私の心の弱さだ。


こうして仕込んだ全10種類の梅酒 冷暗所である押し入れで寝かせます

なお、アルコール度数が20度未満の酒で梅酒を作ると酒税法違反になってしまうのでご注意を。実から出る水分でアルコールが薄まってしまい、酵母が死なずに発酵が進んでしまうのだ。日本酒などの醸造酒を入れなかったのはそういうワケ。

あと、作った梅酒を他人に振舞うのもダメなのだそう。梅酒を作る場合はあくまで自分の家で消費する分だけ作りましょう。

そうこうしているうちに一ヶ月が経ち、自家製梅酒が完成した。


 

 
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