デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
全長4mのリコーダーを作る

 

まずは演奏姿勢から

 これ、演奏するにはどうしたらいいんだろうか。いつものリコーダーは胸の前で立て吹いていたけど、この笛はとても立てては吹けそうにない。


寝かせたまま吹くか

 立った姿勢でくわえると、笛は自分の重みでグニャーと曲がってしまう。これではいい音が出なさそうだ。少しでもまっすぐにするため、座って吹いた方がいいだろう。

 しかし座っていてもたわむものはたわむ。試行錯誤の末、片足で笛の途中を持ち上げることで、たわみを押さえることに成功した。


できるだけまっすぐになるように、片足挙げて途中を支えるのがポイント
傾いた姿勢のせいで腹筋がものすごい勢いでプルプルする

 さて、次はいよいよ息を入れる。はたしてどんな音がするだろう。

 楽器というのは大きくなればなるほど、低い音が鳴る。これは4mもあるのだ。きっと地響きのような重低音が響くに違いない。ゴゴゴゴゴ。あまりの低周波に、地割れが起きたり土壌が液状化したらどうしよう。あ、低周波治療器の要領で腰痛が治るかもしれない。

 

それでは音をお聞きください。

 では、聴いてください。と言いたいところですが、比較のためにまずは普通のリコーダーの音をお聞きください。


普通のリコーダーの音



 明らかに低いドのチューニングが狂っているのだけれども、100均で買ったリコーダーだしチューニングもしてないのでご勘弁を。とにかくこんな音色です。

 さて、4mリコーダーだ。ちなみにこの笛、マウスピース以外はただのパイプなので穴は空いてません。音階は吹けませんのでご了承ください。


4mに延長したリコーダーの音



 やっばい。なんだこれ。やっばい。ものすごく高い音。しかもキンキンした金属的な音だ。楽器というより、ホラーかサスペンスのSE。

 小学生の頃の笛の授業を思い出してほしいのだけれども、普通のリコーダーでも、低い音の指でおもいっきり息を吹き込むと、ピィーってすっとんきょうな高い音が出てしまった憶えがあると思う。この笛は、全部あの音だ。でかいなりして、とにかく音が甲高い。

 しかも驚くべきことに、穴もないのに勝手に音階が変わる。一応、強く吹くと高い音が出るような感じではあるのだが、音のかわり方が微妙すぎて全然制御できない。高い音を出そうとして強く息を吹くと、ギュラギュラってすごくトゲの立った音になってしまう。もうまったく手に負えない、荒馬みたいな笛だ!

 

長さも音も手に負えなかった

 ということで、「笛がバカみたいに長かったらおもしろい絵になるのでは」と思って始めたこの企画でしたが、意図に反して「笛を伸ばしたらサスペンスな音が出て驚く」企画となりました。いずれにしろ、笛をたくさん伸ばしたので僕はとても満足です。

 それでは最後に、あまった部品で作ったT字型の笛を吹きながら、ゴミを集めているところの動画でお別れです。さようならー!


ながら清掃

 

 


 
 
関連記事
塩ビパイプでサックスをつくる
ユニークな笛と音色たち
紙でトランペットを作る

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.