特集 2016年10月20日

レアな空気の缶詰をつくる

!
「空気の缶詰」というものがあるだろう。

富士山とかハワイとかアイドルがいる空間とか価値がありそうな空気が詰められた、半分冗談みたいな商品だ。

何に価値があって、何がレアなのかは人それぞれだ。自分なりのレア空気缶を作りたい。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

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缶詰マシンがあったんです

先日、デイリーポータルZ編集部の倉庫を整理していたところ、缶詰をつくるマシンを見つけた。
何に使ったか思い出せないものが多い倉庫です
何に使ったか思い出せないものが多い倉庫です
こういう道具があった
こういう道具があった
3mくらいに伸びるマジックハンド的なものだったりパンダの着ぐるみだったり、どの記事中に登場したのか覚えていないものも多い混沌とした倉庫に、件の缶詰マシンはあった。大事に箱にしまわれていて、まだ未使用のようだった。

なんということだ、これがあればいろんな空気の缶詰が作り放題じゃないか。

使い方は簡単

使い方を説明しよう。と言っても本当に簡単で、底が抜けた缶に底の板を押し付けるだけ。
パーツをセットして軽く力を入れるだけで
パーツをセットして軽く力を入れるだけで
簡単にできた
簡単にできた
ワンプッシュで缶詰ができた。シャンプーですら出が悪いとツープッシュなので、それより簡単だ。

中身は空…と見せかけて、「会社の空気」。

たぶん会社の空気を缶詰にしたのは歴史上はじめてのことなので、ある意味でレアな缶詰である。
ラベルを巻くとさらに良いだろう
ラベルを巻くとさらに良いだろう
と、まあ本当に簡単に缶詰ができてしまうのだ。この調子でいろいろな空気の缶詰を作りたい。

社長室の空気

このあたりで珍しい空気があるところを考えてみる。

新宿に雄大な自然や絶景があるわけではない。行きづらいところの空気がレアだろうか、と思索していると…そうだ、社長室があった。
社長、いなかった
社長、いなかった
空気、頂きます
空気、頂きます
できた
できた
あいにく社長はいなかったが、そのスキをついて(秘書の方にことわって)空気を頂戴した。これで「社長室の空気缶」ができた。

「社長室の空気」は本来社長室という空間にしか存在しえないのだが、こうやって缶に封じ込めることによって持ち運びできるようになるというのが不思議である。

空気があるところならなんでも保存できるわけだ。

ありがたい空気も

外に出てみよう。これは会社の近くにある成子天神社には富士塚である。
もっさりしてるけど、富士山から持ってきた岩が積まれてるそうだ
もっさりしてるけど、富士山から持ってきた岩が積まれてるそうだ
富士塚といえば、登れば実質富士山を登ったことになるとされている人工の小山である。そうであれば、富士塚の山頂で収集した空気は実質富士山の空気なはずである。

缶詰にしてやろう。
登った
登った
詰めた
詰めた
缶詰にした
缶詰にした
本来なら富士山を登らないと入手できない空気をいとも簡単に手に入れた。これでいいのかという思いもなくはないが、それは信心の作法なのでこれでいいと考えれば問題ない。

気まずい空気も

「いろんな空気を缶詰にするため、街に飛び出そう!」と出かけてきたものの、実質ノープランだったので次に何を撮影するか迷ってしまった。
どんな空気でもパッケージングできるとなると、かえって迷ってしまう。

ぼく一人ならいいかもしれないが、撮影を手伝ってくれている人もいるので、まずい状況だ。
次どうしようか考えてなくてですね~
次どうしようか考えてなくてですね~
あら~
あら~
こういうときはあせればあせるほど考えがまとまらなくなってくるものである。
思いつくアイデア全てに自信がなくなる。悪いサイクルだ。

この空気、最高に気まずい。
そんな気まずい空気も缶詰に
そんな気まずい空気も缶詰に
起死回生のアイディアであった。

もっとレアな空気を!

いろんな状況をかけあわせたら、レアな空間が生まれるだろう。レアな空間の空気はレアなはずである。

ということで、冒頭で整理していた倉庫で見つけたものを持ち出して、レアな空気を作り出した。
シャドーボクシングをパンダの頭の上にタライを落とします
シャドーボクシングをパンダの頭の上にタライを落とします
思ったより首に衝撃がきた
思ったより首に衝撃がきた
すかさず
すかさず
できました~(毛がはさまった)
できました~(毛がはさまった)
シャドーボクシングをするパンダの頭にタライが落ちてきたときの空気
シャドーボクシングをするパンダの頭にタライが落ちてきたときの空気
そんなのないだろう、というくらいレアな空気の缶詰ができた。
人がおもしろのアイデアに悩んだ末に生まれた空気、という名前でもいいかもしれない。

物質と情報のはざまで

市販されている空気の缶詰は実際にそこの空気を採取しているのか疑念が耐えないが、自分で詰めるなら不安はない。ラベルの情報以外の安心感がある。

今後行く場所や、発生するすてきなライフイベントごとの空気缶を作るべく、缶詰マシンを常に持ち歩いて真実にレアな空気を集めて行きたい……のだが缶詰マシンが何故か重い(10kgくらいありそう)ので躊躇している。
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