特集 2016年5月23日

木星の直径がスカイツリーとすると、スカイツリーは米粒以下

大きさの感覚を身近なものを使って確認したい
大きさの感覚を身近なものを使って確認したい
巨大すぎるものって、大きさの感覚がいまいちピンとこない。

地球はでかい。他の惑星もでかい。宇宙もでかい。地球に比べたらスカイツリーなんてきっと米粒みたいなもんだが、スカイツリーは実際でかい。

「米粒みたいなもん」と言ってはみたが、実際どの程度「米粒」なんだろうか。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

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巨大なものの大きさ、わかりづらい

巨大なものを見たときに、「どのぐらい大きかったか」と聞かれたらよく思い出せない。

ここ数年で見た印象に残ってる巨大なものと言えばこの2つだ。
海外から6000人を乗せて来た豪華客船
海外から6000人を乗せて来た豪華客船
見慣れぬでかさにびびった観音像(久留米)
見慣れぬでかさにびびった観音像(久留米)
船も観音像も高さは62mなのだが(偶然にも同じだった)、その数値を言われるよりも実際に知ってる「どの建物と同じぐらい」と説明されるほうがピンとくる。

東京スカイツリー、東京タワー、牛久大仏(ライター小野さんのこの記事にもある世界最大の大仏)、東京ドーム、鎌倉の大仏と高さを比較してみよう!

このとき自宅にある身近なものを使って高さ比を見たほうが、驚きがある気がするのだがどうか。
自宅にあるものを使って、高さの比率を比較してみた
自宅にあるものを使って、高さの比率を比較してみた
鎌倉の大仏と東京スカイツリーの高さ比なんて、一円玉と1m以上あるワイパーの棒ぐらい違うのか! という意外性。

これだと「うわっ、スカイツリーでかすぎ……!!」という驚きがなんと自宅で味わえる。

……と自信満々に紹介してみたが、これ本当か……!? と疑いたくもなってくる……。
鎌倉の大仏(1円玉)と、62mの船と観音(ガラケー)
鎌倉の大仏(1円玉)と、62mの船と観音(ガラケー)
いくらなんでもこれ、鎌倉の大仏小さすぎて間違いなのでは? と思ったが、

1円玉は直径2cm、ガラケーは高さ11cm。
鎌倉の大仏は高さ11.3m、船と観音は62m。

大きさ比は1:5.5なので、たぶん合ってる。

スカイツリーも鎌倉の大仏の56倍以上の高さがあるので、このぐらいで合ってるはず。こうやって見ると新鮮味がある。

身近なもので宇宙を感じたい

いきなりだがここで話を宇宙に移そう。

さっき挙げた巨大なものたちも、宇宙規模で考えるとどんだけ小さいことか! 身近なものを使って、宇宙の大きさを測れないだろうか。
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さっきのような手法で、地球上の大きなものと太陽系の惑星の大きさを比較してみたい。

比較対象を太陽系全体とか、銀河系にしようか……とも考えたが、あまりに大きすぎてどうにもならないので、惑星にした。

「地球上の大きなもの」と言っても、国内のものでないとどうもピンとこないので、スカイツリーと富士山をまず比較の対象にしよう。
スカイツリーと富士山の高さ比
スカイツリーと富士山の高さ比
このあと出てくる惑星との比較の都合でこの大きさを基準とする。(1円玉だと大きかったので、ちょうどいいサイズの大正時代の小銭を使う。)

この場合の縮尺率は22万5百分の1ということになる。
さっきの米の22万5百倍の高さであるスカイツリー。これを一番小さい比較対象とする
さっきの米の22万5百倍の高さであるスカイツリー。これを一番小さい比較対象とする
「約2.8mmのものがスカイツリーだと仮定する」というのがまず決まったが、ちょうど良いものがなかったので、米の欠片でいいかということにした。
キウイの種(左の黒いの)にしようかとも思ったが、それだと小さすぎた。あとこの撮影、スカイツリーの真横でする意味あんまりなかった上に、この直後に米を紛失……
キウイの種(左の黒いの)にしようかとも思ったが、それだと小さすぎた。あとこの撮影、スカイツリーの真横でする意味あんまりなかった上に、この直後に米を紛失……
つぎにこの場合、一番大きな惑星である木星はどんな大きさになるかというと、「スカイツリーの高さが木星の直径」ということになる。
直径がこのスカイツリーだとすると、木星はこんな感じにぐるっと円を描いたイメージか
直径がこのスカイツリーだとすると、木星はこんな感じにぐるっと円を描いたイメージか
直径でぐるっと円を描くと惑星の大きさを想像しやすかったので、他の惑星についてもこんな風に大きさ比較をしてみたい。
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やろうとしてることが理解してもらえてるか不安を覚えてきたので、まず動画を見てもらおう。(※音は一切出ません)

まずはさっき登場した米粒より小さいスカイツリーと十銭玉の富士山からだ。

最初、大きさ比較を「自宅にある身近なものを使って」としていたが、惑星ほどのサイズとなるとそうはいかず、屋外へ飛び出してみた。
この動画に出てきた惑星の一覧は以下の通り。

(自分が習ったときの「すいきんちかもくどってんめいかい」の順番で。外された冥王星も入れた。)
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どの惑星が、この縮尺率だと何メートルになるかを計算し、そこからその縮尺値と近い大きさのものを探していった。(1m程度の誤差はアリとした。)

200m以上の建物は高層ビルランキングに入っているので見つけやすい。100m以下のものはランキングにも入らず、特に高さ自慢をしてる訳でもないのでなかなか見つけづらい。
ちょうどいい建物が見つからない場合は、無理矢理バス(水星に該当)を入れたりした
ちょうどいい建物が見つからない場合は、無理矢理バス(水星に該当)を入れたりした
動画の中でひとつだけイラストが登場したが、この土星に該当する528mのものは筑波のきのこ山以外に見つからなかった。

ひとつだけ山なので、ビルとの大きさ比較したときにスケール感違いすぎてしまった……。まあいっか。(この「きのこ山」も過去に小野さんの記事があった。)
スカイツリーより山の方が大きく見えてしまってる
スカイツリーより山の方が大きく見えてしまってる
実際に該当のビルをまわってはみたが、見るポイントを誤ったり近すぎて写真に収まらなかったり、なかなか難しい。
東京ドーム、見るポイント誤り過ぎた
東京ドーム、見るポイント誤り過ぎた
東京ドームを分かりやすく撮るのに失敗したため、ほぼ同じ大きさの「米子ユニバーサルホテル」で代用
東京ドームを分かりやすく撮るのに失敗したため、ほぼ同じ大きさの「米子ユニバーサルホテル」で代用
このように、太陽系の惑星の大きさ比較ができた。ついでに東京⇔品川間相当の距離である 6324.5mの太陽も入れ込んでみた。
やっぱ太陽って大きいなぁ
やっぱ太陽って大きいなぁ

結論:並べないと分かりづらい

動画の中で挙げた建造物は、ひととおり実際に実物を見に行ったが、いまいち「あー、これが火星か」というような感情は起きなかった。
天王星ご案内図
天王星ご案内図
近すぎて写真に収まらないスカイツリー
近すぎて写真に収まらないスカイツリー
ビルめぐりをしたからと言って、当然ながら惑星のスケール感を掴める訳ではなかったが、動画を作ったお陰で宇宙の広さや自分の小ささについてちょっとは掴めたような気がする。
人間なんてこの種の何百分の一
人間なんてこの種の何百分の一
もしなにかに悩んだときは、身近なものを使って宇宙を感じて「こんな宇宙に比べたらこの種より小さい私の悩みなんて微生物以下だ」とか言いつつ気を紛らわすのもいいかもしれない。

こういう比較は、巨大なものだけじゃなく小さい見えないものを対象にしてみても面白そうだ。

ミジンコに比べてアリでかすぎ……!! みたいなのを醤油やモップを使って比較してみたりとか。

今回、もののサイズ感について考えつつ、電車の一日乗車券を買って各惑星に該当する建造物を見て回ったのだが、それはそれで楽しかった。まさかサイズ感比較きっかけでちょっとした小旅行気分が味わえるとは思わなかった。
初めて行ったスカイツリー、登らなくても楽しい施設だとわかった
初めて行ったスカイツリー、登らなくても楽しい施設だとわかった
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