特集 2016年6月24日

中尾彬さんのねじねじを30メートルの布で拡張してみた

30メートルの布でねじねじを作った
30メートルの布でねじねじを作った
先日、中尾彬さんがトレードマークのねじねじを巻かずにテレビに出ていた。その代わりに、ねじねじがプリントされたTシャツを着ている。クールビズだろうか。確かに夏場にねじねじを巻いたら暑そうだ。しかし、僕はがっかりした。どんな時でもねじねじしていて欲しかったし、一度楽を覚えてしまったら二度と本物のねじねじに戻れないのではないだろうか。

このままでは中尾彬さんのねじねじがなくなってしまう。
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。


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ねじねじを拡張しました

まずは拡張したねじねじをご覧いただきたい。30メートルの布を中心で折ってねじねじしているので、ねじねじの長さは約15メートルである。
彬さんの代わりにねじねじしたよ
彬さんの代わりにねじねじしたよ
でも、俺のねじねじは
でも、俺のねじねじは
とても
とても
長いんだ
長いんだ
30メートルの布だから
30メートルの布だから
おい、志乃はどこだ?
おい、志乃はどこだ?
ねじねじの全貌を写真におさめようとすると中尾彬さん(になりきっている僕)が米粒大だ。終始、彬さんの表情を真似ていたが全く伝わらない。

これが拡張された中尾彬さんのねじねじであるが、ここに至るまでの道のりを紹介しよう。

30メートルの布を調達

まず、30メートルの布を調達するために、日暮里にある「にっぽり繊維街」を目指した。ネットの情報によるとそこに行けば安い布が手に入るという。
にっぽり繊維街へ
にっぽり繊維街へ
安い生地屋さんが
安い生地屋さんが
何軒も軒を連ねていた
何軒も軒を連ねていた
どの生地屋さんがいいのか、布に関して素人の僕には判断ができない。入るお店を決めあぐねていると、店頭に女性物下着を干しているまずい感じの外国人がいた。

あまり関わらない方がいいかなと思い、足早に男性の横を過ぎようとしたら目が合ってしまった。どうやら、このお店の人らしい。
店頭に女性物下着を干してる?
店頭に女性物下着を干してる?
お店の人だった
お店の人だった
どうして下着を干しているのか? 聞く暇もなく、

「何を探してますか?」

と声をかけられ、「長い布を」と答えた。

「たくさんあるよ」と店内に誘導されたが、僕は店頭の下着が気になっている。
店内へ
店内へ
店長の手作りテープ「日本一」
店長の手作りテープ「日本一」
下着を干していた男性はこのお店の店長さんだった。名前を聞くと、「長くて分かりづらいから、ハッピーでいいよ」と言われた。ハッピーというのは店の名前だと思うのだが…。

「この辺の人はみんなわたしをハッピーって呼ぶね」

そう言って笑うハッピーさんは、ペルシャの出身だという。
ハッピーさん手作りの紐的なもの
ハッピーさん手作りの紐的なもの
これも手作り
これも手作り
この帽子も手作り
この帽子も手作り
そうか、店頭で見たのは女性物の下着ではなく、ハッピーさんが作った紐的なもので、干していたのではなくディスプレイだったのだ。
いろいろ作ってるよ
いろいろ作ってるよ
ハッピーさんはペルシャ絨毯の柄に似せて、数々のオリジナル商品を作っていた。

ハッピーさんと打ち解けることができたので、「首に巻く長い布を探してます」と僕の目的を告げた。どれくらいの長さ? と聞かれたので「30メートルです」と答えると、「オップ!」と言われた。

30メートル…、とつぶやきながらしばらく店内をウロウロしていたが、思いついたように店頭に置いてあった白い布を指差し、

「これだったら30メートルあるよ。Tシャツに使う生地だから首に巻いてもいいね」

と言った。
Tシャツ用の生地30メートル
Tシャツ用の生地30メートル
本当は1メートル100円のところ、30メートルで2,000円でいいと言ってくれている。しかも税込み価格だ。

僕とハッピーさんの商談は成立し、2,000円で30メートルの布をゲットすることができた。

ハッピーさんはスーパーのレジ袋を2つ使った独特な梱包方法で布のロールを包んでくれた。
独特な梱包
独特な梱包

志乃の力を借りて30メートルのねじねじを

布は用意できた。あとはこれをねじねじするための広い場所が必要だ。

僕は川沿いの広場を目指した。
川沿いでねじねじしよう
川沿いでねじねじしよう
しかし、さきほども書いたように僕は布に関しては素人である。布に詳しい人の手助けが必要だ。そこで、知り合いの会社で経理をやっている佐藤さんのお力を借りることにした。普段は経理の仕事をしている佐藤さんだが、裁縫が得意なのだという。
佐藤さんの力を借りる
佐藤さんの力を借りる
布に詳しい佐藤さんにねじねじをお願いする訳だが、その役割は技術的な面だけではない。中尾彬さんの愛妻、志乃さん的な気持ちを持って僕の首にねじねじしていただくようにお願いした。
布を広げる
布を広げる
結構な重さを感じつつ布の端を支える彬
結構な重さを感じつつ布の端を支える彬
布の中心で折り返し彬のもとに戻ってきた志乃
布の中心で折り返し彬のもとに戻ってきた志乃
布の中心に向かう彬
布の中心に向かう彬
彬の首に布をかける志乃
彬の首に布をかける志乃
彬の首に布がかかったところで、志乃が片方ずつねじっていく。
志乃のねじり
志乃のねじり
力強い志乃
力強い志乃
巧みな布さばきを見せる志乃
巧みな布さばきを見せる志乃
オシドリ夫婦
オシドリ夫婦
片方のねじりが終わった段階で、もう一人の助っ人が登場した。以前、「全国の鈴木さんが集まる鈴木会」 という記事で鈴木会に参加していた鈴木さんだ。

鈴木さんにはねじった布が戻らないように端をおさえておいてもらう。
ねじった端をおさえる
ねじった端をおさえる
鈴木さん
鈴木さん
志乃と鈴木さん、二人がかりでねじねじを作る様子は、横綱の綱打ち式のようでもある。
綱打ち式のような
綱打ち式のような
光景
光景
左右のねじねじが完成したところで、それを1本にねじねじしていく工程へと移る。

布の扱いに慣れている志乃が、ここでも華麗な布さばきを見せた。
2本のねじねじを1本にしていく工程
2本のねじねじを1本にしていく工程
うねるねじねじ
うねるねじねじ
1つねじる度に志乃の愛が1つ深まる
1つねじる度に志乃の愛が1つ深まる
そんな志乃の愛を首で受け止める彬
そんな志乃の愛を首で受け止める彬
最終的に首元のねじねじを志乃に調整してもらい、彬と志乃のねじねじ30メートルバージョンは完成した。
最後のねじねじ調整
最後のねじねじ調整
愛の証
愛の証

30メートルねじねじの活用法

こうして完成した30メートルのねじねじであるが、その重さは約5Kg。首にかかる負担が予想より大きい。日常的なファッションとしてこのねじねじを取り入れるのは多分無理だ。

30メートルのねじねじが完成してすぐ、僕はそれを持て余すことになる。

このねじねじを何かに活用できないだろうか。

例えば、川で溺れている犬がいたら、
待ってろよ
待ってろよ
このねじねじに
このねじねじに
つかまるんだ!
つかまるんだ!
このように、ねじねじで救助できるかもしれない。

それ以外にも、
係留しておけば
係留しておけば
安心して休憩できる
安心して休憩できる
このような活用法も考えられる。

と、ここまで読んでいただいた_方々はお気づきだろうか?

今までの写真を良く見ると、僕たちの後ろに赤い旗を掲げた船が常に写っている。船を良く見ると、横に「警戒船」と書いてあった。

長いねじねじは警戒の対象になっていたのかもしれない。

お騒がせして申し訳ありませんでした。
全部巻いたら良く分からない物になった
全部巻いたら良く分からない物になった
志乃に引かれる彬
志乃に引かれる彬
とにかく重くて暑い
とにかく重くて暑い

日暮里のハッピーさんが上等な布を安く譲ってくれたお陰で30メートルのねじねじを実現できることができた。しかし、Tシャツ用のその布はかなり重かったので、首と腰にかかる負担が大きかった。もし、30メートルのねじねじをやりたいという人がいたら、サテンのような軽い素材でねじねじすることをお勧めします。
総重量5Kgは重い
総重量5Kgは重い
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