特集 2015年4月17日

お花畑でちょうちょを追いかけたい

ちょうちょ~
ちょうちょ~
本当に何もいいことがない。特に先月は最悪だった。仕事の失敗、人間関係の喪失、体調不良……と全然関係ないものが一気に来た。酒を飲んでも全く気が晴れない。もっと根本的なストレスの解消が必要なのだ。

そこでぼくは編集部に電話をする。「次の企画、お花畑でちょうちょを追いかけたいんですが……手伝ってもらっていいですか?」編集部は快諾。やった!
本業は指圧師です。自分で企画した「ふしぎ指圧」で施術しています。webで記事を書くことをどうしてもやめられない。(動画インタビュー)


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今すぐ現実と向き合うのをやめろ

あのいまいましい現実……。油断していると現実はどんどんぼくたちに不自由を強いる。現実に対処するのはもうたくさんだ。やめよう。現実から完全に目をそらすべきなのだ。なにも不自由がなく完全に満たされた世界を作りだせばいいのだ。

それが「お花畑でちょうちょを追いかける」である。
菜の花畑にちょうちょが遊んでいます
菜の花畑にちょうちょが遊んでいます
「わー ちょうちょだー」
「わー ちょうちょだー」
「まてまてー」
「まてまてー」
「まてまてー」
「まてまてー」
「つーかまーえた……」
「つーかまーえた……」
「あっ」(ヒラヒラヒラ~)
「あっ」(ヒラヒラヒラ~)
(おっと、人間につかまる所だった。でも追いかけっこは楽しかったな。また遊ぼうね)
(おっと、人間につかまる所だった。でも追いかけっこは楽しかったな。また遊ぼうね)
完璧だ。100%全力の「お花畑でちょうちょを追いかける」ができあがった。具体的なやり方は次ページで共有をしたい。みんな、やりたくなってきたでしょう?
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現実は寒い

気温3度
気温3度
4月の上旬である。なのにここのところ真冬並みの日が続いている。昨日は雪まで降った。こんな日に限って異常気象だ。
服の下にパジャマを着ている
服の下にパジャマを着ている
しかし寒いとか言っている場合ではない。この公園のスケジュールをずっと前から押さえていたのだ。雪が止んだだけ奇跡である。登山用の一番分厚いタイツをはいてきていて正解だった。
「撮影許可証が心強いですね~」と編集部古賀さん
「撮影許可証が心強いですね~」と編集部古賀さん
公共の場でこんなことしていいの? と思うかもしれない。しかしきちんと目的を伝えて撮影許可を取っているので大丈夫。日本の法律は、お花畑でちょうちょと追いかけっこを規制していない。まだまだ日本はおおらかな国だ。
振り返るとたくさんの人が……
振り返るとたくさんの人が……
人がいないうちにやろうと朝一番に来た。でもバードウォッチングをやっている人たちが続々とやってきてしまった。

……あの高そうな双眼鏡でちょうちょとの追いかけっこを見物しているのか(絶対にこっち見ているだろう)。まあいい。見たいのなら好きなだけ見てもらおう。

お花畑でちょうちょを追いかけるのに必要な物

これが最小構成だ
これが最小構成だ
・パジャマ上下(ダイエーで3,000円)
・サンタクロース帽(白いのをアマゾンで探して買った)
・クマのぬいぐるみ(西友で1,000円)
・ちょうちょ(画用紙にプラスチックの棒)

ちょうちょを追いかけるのに、パジャマ姿とクマのぬいぐるみは絶対に必要なのだ。「ちょうちょを追いかける」ことを通して、夢の世界に行かなくてはいけない。そうしないと現実に対抗できないのである。
メガネをはずして裸足になる
メガネをはずして裸足になる
なんかいい感じの電車が来た
なんかいい感じの電車が来た
いや、夢の世界なんてないですよ。ちゃんとわかっていますよ。でもそういう写真を撮って少しでも近づきたい。これは人類が普遍的に持っている心のメカニズム「祈り」である。

ちょうちょを追いかけるのにちょうちょは不要

なくていいな、コレ
なくていいな、コレ
繰り返すが、パジャマとクマは必要。逆に手作りのちょうちょはなくても良かったかもしれない。
腰を悪くする姿勢の見本だ
腰を悪くする姿勢の見本だ
人手が足りないので、ちょうちょはカメラマンが持つことになる。モニターを見ながらちょうちょを差しだす姿勢はだいぶ腰に悪い。やっぱりない方が良かった。
指を差せばちょうちょが「見える」し
指を差せばちょうちょが「見える」し
本物のちょうちょも飛んでいた(画像右中央)
本物のちょうちょも飛んでいた(画像右中央)
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風船とシャボン玉でよりファンタジックに

いろいろと好みでオプションを用意するのもいいだろう。
風船プカプカ
風船プカプカ
この風船は東急ハンズで買った。普通のゴム風船だとヘリウムを入れても1日くらいしか持たないが、こういうメタル加工がしてある風船だと数週間持つという。ヘー、知らなかった。
購入後に家に数日保管されていた
購入後に家に数日保管されていた
古賀さんのアイディア、シャボン玉
古賀さんのアイディア、シャボン玉
シャボン玉と風船がどうしても風に流される
シャボン玉と風船がどうしても風に流される
古賀さんが売店でシャボン玉セットを買ってきてくれた。ただ、風が強くてなかなか狙ったところに飛ばせない。

古賀さんが一瞬諦めて「シャボン玉、フォトショップでやれば良いですかね~?」とかいい始めた。問答無用で不可である。

せっかくだから巨大グミでも食べるか

夢の中みたいなグミ
夢の中みたいなグミ
こういうものが実際に売っている。まるでこの状況に合わせて作らせたようだ。世界はすでにこっち側に寄ってきている。
はがすのも一苦労
はがすのも一苦労
すごく好みの味が口いっぱいに広がる
すごく好みの味が口いっぱいに広がる
甘さ控えめだが、コーラの香りはしっかりとついていてうまい。うまいんだけれども、何をやっているのかよくわからない写真になってしまった。夢の中ですらないというか。

異常な状況に異常な小道具だと、本当に理解不能になることがわかった。何事もほどほどにしておいた方がいい。このカッコでそんなこというな、って感じだけど。
「せっかくおもしろいグミでおいしいんだけれどもね……これはダメだね……」
「せっかくおもしろいグミでおいしいんだけれどもね……これはダメだね……」
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カメラを地べたにおけ

ここでカメラマンの古賀さんが新しい手法を発見した。カメラを地面に置くのだ。ピントが合わなくなると、現実の世界からさらに遠ざかる。
草葉の陰視点だ
草葉の陰視点だ
ピント外しとシャボン玉との合わせ技
ピント外しとシャボン玉との合わせ技
なんだろう……これは妖精? まぼろし? と思っていると古賀さんが「完全に死んでますね~これ!」といった。そんな幽霊っぽいかな……。
おわかりいただけただろうか……
おわかりいただけただろうか……
あっ完全に幽霊だ。これはなんか撮っちゃいけない写真かも。おすすめはしません。

エンディング

最後にどうしてもやりたいやつがある。「ふざけてころんで仲良く大笑い」というものなのだが、まずご覧いただきたい。
最後にどうしてもやりたいやつがある。「ふざけてころんで仲良く大笑い」というものなのだが、まずご覧いただきたい。
最後にどうしてもやりたいやつがある。「ふざけてころんで仲良く大笑い」というものなのだが、まずご覧いただきたい。
「アッ」
「アッ」
すってーん
すってーん
「アハハ、転んじゃった」
「アハハ、転んじゃった」
「あー今日も楽しかったね! 明日もまた遊ぼうね!」(ぼくも楽しかったよ。ずっと一緒に遊ぼうね……)
「あー今日も楽しかったね! 明日もまた遊ぼうね!」(ぼくも楽しかったよ。ずっと一緒に遊ぼうね……)
これが「ふざけて転んで仲良く大笑い」だ。僕が考える「自由」の体現である。別にオチは無いが、自由な世界にオチは必要ない。本日は以上です。

逃避せよ

年齢を重ねるごとに悩みは複雑になってゆく。絶対に解決できない問題というのも多い。だったら、全力で現実逃避した方が良い。

しかし、現実逃避のハウツーはほとんどない。あるのはライフハックとか、現実に自分が対応するやり方ばかりだ。そんなものは下らない。みんながこの記事を見て良き現実逃避をしてほしい。
ここまで読んだ以上、みなさんぜひトライして欲しい
ここまで読んだ以上、みなさんぜひトライして欲しい
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