特集 2014年11月19日

供養もする、たまごかけごはんシンポジウム

これだけ見たらまったく意味がわからないと思うので、順番に説明します
これだけ見たらまったく意味がわからないと思うので、順番に説明します
専用醤油が発売されてたり、居酒屋ではTKGとか呼ばれてたりする卵かけごはん。(TKGがどこまで浸透してるのか、いまいち謎……)

卵かけごはん専用しょうゆ発祥の地で、「日本たまごかけごはんシンポジウム」というイベントが開催されると聞いた。

「日本」と大きなことを言ってしまってるが、出展者情報を見ると、島根、広島、兵庫の3県だ。いいのか、まあいいのだ。食べに行ってみよう。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

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岡山の美咲町と島根の吉田町

イベントが開催されたのは、島根県雲南市吉田町。9月に五寸釘からペーパーナイフを作ったのと同じ町だ。この取材に行ったときに今回のイベントのことを教えてもらってたんだった。
今回の会場は中学校の体育館
今回の会場は中学校の体育館
今年で10年目
今年で10年目
ここ吉田町(合併前は吉田村)は「発祥の地」として卵かけご飯で町おこしをしてるのだが、卵かけごはんで町おこししてるところは他にもある。「発祥の地」である岡山県美咲町だ。

ん……?? 発祥かぶり?
いいのか。大丈夫なのか。町同士の関係が気になる。
!
聞いてみると、こういうことらしい。

「卵かけご飯自体の発祥の地」の美咲町。
「卵かけご飯専用しょうゆ発祥の地」の吉田町。
あー、なるほど。それなら問題ないか。

以前、吉田町のイベントに美咲町が参加したりというような交流もあったのだそう。
!

卵かけご飯のはしご

こういうイベントは複数名で行って、多くの種類のものを分け合って少しずつ食べるという楽しみ方があるが、卵かけご飯の場合はあんまり分け合うのに向いてないような気がする。なんとなく。

ひとまず見てまわろう。
給食っぽいなー
給食っぽいなー
卵焼きっぽいなにかが乗ってたり
卵焼きっぽいなにかが乗ってたり
姫路の穴子+ひねぽん(鶏)卵かけ飯や
姫路の穴子+ひねぽん(鶏)卵かけ飯や
開催地吉田町のオクラと肉みそ
開催地吉田町のオクラと肉みそ
ひとりでそんなにいろいろ食べられるものでもないので、3種類選ぶことにした。一気に紹介しよう。

まずは「焼き肉屋さんのまかない風たまごかけごはん」(島根県雲南市)。
じゃがいもチップが気になった
じゃがいもチップが気になった
卵とスナック菓子、ほかのも試してみたい! 味濃いめのものと合いそう。カラムーチョとか。

つぎは「放し飼いたまご TKG」(広島県尾道市)。
なんとかつおぶしのみ!
なんとかつおぶしのみ!
ここでは「うちのはよそのとは違って、卵の素材の味だけで勝負してるから、最初はしょうゆもかけずに食べて欲しい。」という美味しんぼの世界で言われそうなことを言われる。

ストレスのない鶏が産んだ卵とその場で削った鰹節。どうだ、素材の味! ……と食べ始めたが、本当になにもかけないそのままは物足りなくて、すぐにしょうゆをかけた。
すまないがかけさせてもらう
すまないがかけさせてもらう
さいごは「播磨灘の幸たまごかけごはん」(兵庫県加古川市)。
3膳目なのに盛りすぎた……。これが去年に引き続き、今年もグランプリ
3膳目なのに盛りすぎた……。これが去年に引き続き、今年もグランプリ
佃煮っぽい甘辛い味の卵かけご飯……といった味。つい卵もご飯も具も盛りすぎてしまって(すべてセルフサービス)ここで限界……。

味の方向性がどれも違うので、比較も評価も難しいが、個人的には2番目に食べた「放し飼いたまご TKG」の本気さを推したい。しょうゆかけたけど。

たまご供養ってなんだ

ところでこのイベント、「焼香の案内」の紙が置いてあったり、絵馬掛けスペースがあったり、いったいなんの話だ。 と思ってはいた。
焼香のご案内……??
焼香のご案内……??
絵馬を貼るスペース
絵馬を貼るスペース
健康に関する願い、届け! 卵に
健康に関する願い、届け! 卵に
願いごとを書いて、卵かけご飯を食べつつぼんやりと過ごしていたところ、壇上の様子が変わってきた。なんだなんだ。
ん?? お坊さん?
ん?? お坊さん?
お寺っぽい匂いが漂ってきた……
お寺っぽい匂いが漂ってきた……
ここで「日頃からお世話になってる卵に感謝をし、供養してあげてください」とアナウンスが流れた。各ブースの代表者が壇上に上がる。
日頃からお世話になってる卵に……?? 供養……?
日頃からお世話になってる卵に……?? 供養……?
始まったっぽい
始まったっぽい
礼をする
礼をする
どうやらこれ、近くのお寺の本物のお坊さんが、本物の祭壇を設置し、本物のお経を唱えはじめたらしい。
備品も本物なのか、いちいち凝視してしまう
備品も本物なのか、いちいち凝視してしまう
遺影が卵
遺影が卵
ひとりずつ焼香
ひとりずつ焼香
こんな非日常が繰り広げられているのに、会場の「そんなに気にしてない」っぷりがなんかすごい。
気にしてなさすぎだろう、これ (お経が響き渡ってる)
気にしてなさすぎだろう、これ (お経が響き渡ってる)
もしかして見慣れてるのかも? とも思ったが、企画自体は2年目。この会場でこれをやるのは今年がはじめて。

どうしても見れば見るほどコントっぽく思えてくるが、そもそもこの行事はなんなんだ。その辺に居たスタッフさんに聞いてみたところ……
え、食育!? そんなにちゃんとした意味が込められた真面目な企画だったのか!
え、食育!? そんなにちゃんとした意味が込められた真面目な企画だったのか!
どうも去年は会場が体育館ではなく町中に点々としてる感じだったので、その流れでお寺にもまわってもらえるように供養の企画をしたが、今年は体育館になったので来てもらうことにしたとのこと。

思いのほかちゃんとした(?)主旨で、もしかして面白がっちゃまずい感じなのかな? とも思ったが、他の人に詳しく聞いてくれと言われたので、企画した人に聞いてみると……
面白がってよかったっぽい
面白がってよかったっぽい
壇上での供養は15分で終わった。その後、祭壇は下げられ、そこで拝んでおいた。
卵相手に拝んだのなんてはじめて
卵相手に拝んだのなんてはじめて
お札をもらった
お札をもらった

さいごに、自分のこだわり卵かけ

会場でもじっくり堪能したが、自宅で繰り返しやってる食べ方も軽く紹介したい。

まず「納豆卵かけ」と「塩昆布卵かけ」。両方とも梅干しを入れる。もしかしたら「納豆~」のほうは、納豆ご飯の部類で、卵かけご飯とは違うと言われるかもしれないが、卵は絶対必須! と思っているので、ここでは卵かけのジャンルに入れさせてもらう。
一番のヘビロテ、納豆。ネギと梅干しは必須
一番のヘビロテ、納豆。ネギと梅干しは必須
梅と塩昆布
梅と塩昆布
あとは中華風っぽい「ザーサイ卵かけ」。ザーサイの味の濃さがあれば、他の調味料は要らない。

そして個人的には、「チキンラーメンお湯抜き卵のみ(そんなに賛同を得られなかったこの記事参照)」も卵かけご飯の類似品としてここに入れておきたい。
ザーサイと卵のとろみがよく合う
ザーサイと卵のとろみがよく合う
これは無理! って人も卵かけご飯の上に砕いたチキンラーメンを少量振りかけるところから始めればいいと思う
これは無理! って人も卵かけご飯の上に砕いたチキンラーメンを少量振りかけるところから始めればいいと思う
会場でも、参加者の卵かけご飯へのこだわりを紹介するトークのコーナーもあったのだが、探せばもっと邪道な卵かけをやってる人も見つかるんじゃないかと思う。気になる。
こだわりスライドショー
こだわりスライドショー

昔から生卵が好きで、小2のころ生卵を一気に食べすぎて(と言っても3個だったが)じんましんが出たこともあった。今回は軽く4個いけたので、確実にあのころより強くなってることを実感した。
安い卵、油断してたら完売した……。悔しい。
安い卵、油断してたら完売した……。悔しい。
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