特集 2017年2月17日

Webメディアびっくりセール告知 Fabcross、ハイエナズクラブほか

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さあさあいよいよ、第1回ウェブメディアびっくりセールは来週末!

改めてご説明すると、ふだんネットで記事を載せているウェブメディア達が集まる即売会イベントである。当初は同人誌即売会のノリでいたのだが、各メディアに話を聞くにつれ、工作を展示するだのコーヒーを出すだのマッサージをするだの、なんでもありのイベントにいつの間にかなっていた。おまけにトークショーまである。この統一感のない荒々しさがまさに「第1回」という感じで、主催側ながらも今からワクワクしている。

そんな各メディアに聞いた出展物をこの記事ではご紹介。今日はFabcrossとハイエナズクラブ、そしてヘボコン、よしだともふみ×橋本直×石川大樹です。

webメディアびっくりセール告知ページ
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Fabcross
Fabcrossはものづくり系サイト。以前イベント「頭の悪いメカ発表会」を共催するなど、デイリーとは親交の深いサイトである。ウェブマスターの越智さんによる最近のおすすめ記事はコアラのマーチの絵柄を消すマシンを作るライゾマリサーチのインタビューなど。

Fabcrossからはライター2人がグッズを出品。今回はライター桜庭さんが出品する「クラウドファンディングで入手したもの」についてお話を伺った。
左が桜庭さん、右が越智さん。桜庭さんはカバンの中から無限にガジェットが出てくるドラえもんみたいな人である。
左が桜庭さん、右が越智さん。桜庭さんはカバンの中から無限にガジェットが出てくるドラえもんみたいな人である。
クラウドファンディングというのは、いろんなプロジェクトにネット上で出資できるサービスのこと。特に新製品開発系のプロジェクトは、出資しておくとあとでその製品をもらえるパターンが多い。一般発売されてから買うより格安で入手できるわけだ。
そのかわり、開発が終わるまで数か月間は製品が送られてこないし、それからプロジェクト失敗などで結局送られて来ない場合もある。さらに届いても「想像と違う…」という結末を迎えることも。
製品を買うと思ってはいけない。ロマンを買うつもりで出資しなきゃいけないサービスだ。

そのロマンに40万ほど溶かしちゃったのが、桜庭さんである。
一例としてはこういうの。これはヘッドマウントデイスプレイにもなるヘッドフォン
一例としてはこういうの。これはヘッドマウントデイスプレイにもなるヘッドフォン
びっくりセールでは、実際に手元に届いた製品のうち、現在あまり使っていないものを大放出してくれるとのこと。
空中に絵が描ける3Dペンと、フィラメントたくさん。「ほぼ一生分あります」(桜庭さん)
空中に絵が描ける3Dペンと、フィラメントたくさん。「ほぼ一生分あります」(桜庭さん)
なんに使うものなのか僕がマニュアルを見ても全く分からなかった「何か」。
なんに使うものなのか僕がマニュアルを見ても全く分からなかった「何か」。
定番品から謎ガジェットまで、幅広いラインナップ。
製品自体も面白いんだけど、驚異的なのは売値である。購入価格の1/10くらいを予定しているとのこと(ただし気が変わるかもしれないので当日確認しよう)。

何でそんなに安いのかを聞くと、「引っ越しにともなって奥さんから怒られそうなので処分したいんです」と語ったのち、「過去を振り返らず、新しい技術を追い求めるためです」と建前も付け加えてくれた。

Wifiコーヒーメーカー

中でも桜庭さんオススメ(つまりもっとも処分したい)ガジェットは、こちら。
Wifiコーヒーメーカー、その名も「ミスターコーヒー スマート」
Wifiコーヒーメーカー、その名も「ミスターコーヒー スマート」
インターネットにつながるコーヒーメーカー。流行りのIoTである。
端的にいうと、「遠くからコーヒーを淹れる」ことができるのだ。もちろん水や豆は手でセットしなきゃいけないし、できたコーヒーも取りに行かなきゃいけないのだが。

それ、遠隔操作する意味あるのか!?と思わず突っ込みたくなるところだが、問題はそこではないのだ。「ミスターコーヒー」をアマゾンで検索してみると、けっこう高評価のコーヒーメーカーシリーズであることがわかる。IoT機能を無視しても、1/10の価格で手に入るとしたらお得なのである。

ただし、でかい。

360度カメラ

上記は桜庭さん本人によるおすすめだが、僕が見ていてオススメだなと思ったのはこちら。
360度カメラ
360度カメラ
360度全方向が同時に撮れるパノラマカメラだ。写真で4K、動画なら2Kで撮れて、防水つき。
本人もあんまりこの製品について詳しくなかったようで、インタビュー中に販売元のサイトを見つつ「えっ、4K!?」「防水!」等と感嘆の声を上げていた。インタビュー時点では未開封品だったが、当日は開封済みになっている可能性もあるのでご了承いただきたい。

なお、いずれも「手に入れた人がどう使ったか知りたい」とのことで、安く販売する代わりにあとで近況を教えてほしいとのことだ。

社会性キーホルダー

そしてもうひとつ、ライターの淺野さんは、3Dプリンタで作った社会性キーホルダーを販売。
これを使えば簡単に「社会性を身に着ける」ことができる
これを使えば簡単に「社会性を身に着ける」ことができる
ほかにも「社会性を捨てる」「社会性を犠牲にする」など発想次第で用途は無限大だ。どんな用途に使おうが、なんとなく自省的な気分になるグッズである。
どうかコーヒーメーカーを買ってください(桜庭さん)
どうかコーヒーメーカーを買ってください(桜庭さん)
ハイエナズクラブ
デイリーと同じくおもしろ読み物サイトであるハイエナズクラブ。代表的な記事はヘボコンのイメージ画像でもおなじみからあげクンロボ、バレバレすぎる居抜き物件「元アルペン特集」、そして「【実録】知らない人の「生前葬」に参列した結果…!!」など。
からあげクンロボの雄姿
からあげクンロボの雄姿
そんなハイエナズクラブの出展物を、編集長の赤ソファさんにメールインタビューした。

――まずはハイエナズクラブの説明を簡単におねがいします
インターネット上で存在感のあるライオン的サイトの食べ残したネタを慎ましやかに扱うことをコンセプトとした情報サイトです。端的にいうとショボいDPZです。

大振りの謙遜には恐縮するが、メールインタビューの性質上、立ち止まらずに次の質問に進む。

――出展するものを教えてください。もし決まっていればですが…
ムダ工作や手芸品を中心に展示の予定です。量産がまにあえば売るものもあるかもしれません。
また同人誌やグッズの販売もします。


――販売するものについて具体的に教えてください。まだ決まっていませんか?
売れそうな物は、同人誌(ハイエナズマガジン1&2。1はデッドストック品)、オリジナルキャップ、オリジナルカスブロマイド、その他工作品などです。

――売り物の写真がもしあれば送ってください。もしまだなかったら、なんでもいいので写真をお送りください。近所の可愛い猫とか。
こちらです。
ワードアートの気迫
ワードアートの気迫
――同人誌の中身はどんな内容ですか?
同人誌の内容はマンガありレポートあり、基本的にネットに出せない&ネットでやらない記事を集めました! という内容になります。→詳細

この数日前に「まだ出すものが決まってませんが」というツイートを見たので、インタビューでも過剰に心配してしまった。ちゃんと準備できててよかった! ――最後に、今回の出展者の中でライバルメディアはいますか?
江ノ島さんの「あんぱねーしょん」が参加しないので、次点でAMをライバル視しています。

ヘボコン
ここからは、手前味噌で恐縮だが編集部・石川のかかわる2つの出展の紹介だ。まずは「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」。
ヘボコンが何かはこちらをご覧ください
国内外問わずいろんなところで開催されているこのイベント。どんどん増えゆく関係者はいつしか熱意を持て余すようになり、その余剰カロリーで同人誌を作ってしまった。
その名も「ヘボコンの達人」
その名も「ヘボコンの達人」
デイリーポータルZのヘボコン班である石川・古賀はもちろん、過去の出場者や外部イベントの主催者、中学生男子など14人の執筆陣が参加。

内容も、「パリピのためのイケてる接着方法ガイド」「百均材料レビュー」などの技術力の低い人が一生懸命書いた工作ガイド系をはじめ、初回の大会で会場までの道中にロボットをなくして伝説になった人のインタビュー、イベント開催記、そして中二によるロボット作り講座やアメリカのホームセンター探訪、などなど。涙なし、感動なし、技術力なしの32ページである。

ためしよみ

今回は試し読みということで、当サイトライターでもあるぬっきぃさんのマンガ「対決!僕らのヘボコンバトル」を4ページ公開いたします!読んだ人は全員買ってほしい。
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付録もあるよ

そして忘れずに紹介しておきたいのが、特別付録。
第1回のヘボコンに出場した、かめたろう1号とミラビリス号のペーパークラフト(胡桃木さん製作)
第1回のヘボコンに出場した、かめたろう1号とミラビリス号のペーパークラフト(胡桃木さん製作)
人気ロボ2体のペーパークラフト!5cmくらいの手のひらサイズで普通にかわいい。
さらに別途、土俵を用意すれば紙相撲ならぬ紙ヘボコンも可能である。本番のイベントでも自走できないロボットがいるので、紙相撲といえど試合の再現度はかなり高いと思われる。ぜひ楽しんでほしい。
よしだともふみ
×
橋本直
×
石川大樹
さあ、最後に絶賛難航中のプロジェクトのご紹介である。デイリーでは古くは川の向こう岸からテレビのチャンネルを変えたり、最近では一緒に他人の顔をでかくしたりしてお世話になっている、テクノ手芸部のよしださん。このたび、一緒に電子工作マニアしか喜ばなさそうな企画を始めた。

人のカンニングペーパーを見せてもらう企画である。
USB端子のコネクタ配置(橋本)
USB端子のコネクタ配置(橋本)
MOS-FET(っていう電子部品)のつなぎ方(同じく橋本)
MOS-FET(っていう電子部品)のつなぎ方(同じく橋本)
スイッチ等の電子部品のつなぎ方(石川)
スイッチ等の電子部品のつなぎ方(石川)
おそらく電子工作をやっている人はみんな、こういう、「よく使うけど毎回忘れる」情報を書きためたメモを持っている。それをいろんな人に見せてもらい、そのこだわりをきいて本にまとめよう、という企画だ。

1、2枚目の写真で急に名前が出てきた橋本さんは、明治大学の准教授、橋本直さん。この企画ののインタビュー先 第1号である。
橋本さんは無数のノートを持っており、そのまとめっぷりがすごいのだ
橋本さんは無数のノートを持っており、そのまとめっぷりがすごいのだ
今回はパイロット版として、よしださん・橋本さん・石川の3人分のみを収録したコピー本を製作予定。記事公開時点で全く何の原稿もできていないのが心配だが、退路を塞ぐ意味でもここでバッチリ告知しておこうと思う。

さらにおまけとして、橋本さん制作のメモ用Arduinoシール(ノートに貼ってメモに使える、電子部品の絵がついたシール)も販売予定である。(ついでに橋本さんの退路もふさいだ)
ちなみによしださんはノート自体をこれから作るといっていた
ちなみによしださんはノート自体をこれから作るといっていた

なにぶん出展者はみんなウェブメディアである。ふだんネット回線を通して、実体のないデータを配信している人たちなのだ。

つまり売るものなどもともとないわけで、急に言われてあわてて揃えてきたのが、コーヒーメーカーやら、オリジナルキャップやら、電子部品シールやらなのだ。そんな「慌て」の決勝が飛び交う会場に、買物半分、物珍しさ半分で来てもらえればと思います。

でも小銭だけはたくさん持ってきてほしい。 webメディアびっくりセール告知ページ
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