ある雨の日、目黒の図書館に行った。目指す本がなく、少々気落ちして建物を出た。気分を変えようと、来た道とは違う道を通る。
ゴルフ練習場のネットをなんとなく眺めつつ坂を下る。下るうち、「あれ?」なんだか変な気がした。待てよ、と通り過ぎてからもう一度引き返し、坂の上から眺める。このネット、こうなってるのか!
初めて見た、こんなゴルフ練習場。まあ一緒に見上げてみてください。
( 乙幡 啓子)
私はゴルフをしないのでわからないが、打ったときの感じはこのネットと堅い地面のときとで違うのだろうか。「そんなに違いません。打つのに集中してますし、着地以降はそんなに気にしません」とのことだった。ゴルファー心理をこんなところで把握してしまった。いつか何かの解説のときに使えるだろうか。
しかし、高く飛んで鉄塔にぶつかった球がネットの坂を勢いつけて戻り、打席背後のガラスを突き破ったこともあるという。今は対策済みで安全だそうだ。
近隣のゴルフ練習場は、再開発などでどんどんなくなっているとのこと。こちらはその中で、なんとかがんばっていこうということである。
「住宅地の中にひっこんでる分、タクシーの出入りとかで迷惑おかけしてるんで、そのかわりに遊び場を提供してるってところですね」
ネット突き棒でえい、えいと球集めを実演しつつ、石井氏は笑った。
メグロゴルフクラブ