●加速する老人っぽさ
続いては老人体験。校内の表示にも、「第3講義室に来てネ」となどとかわいく書いてあって、思わずはりきって行ってしまいたくなる。
現実的にもメンタルな部分では若さから遠ざかりつつある私。フィジカルでもお年寄りの大変さを味わっておくのはよい経験になるだろう。
室内に入ると、担当の学生さんたちが明るく迎えてくれた。負担をかけるためのおもりや関節バンドを次々と装着してくれるのも手際よい。
…おお、全部つけるとかなりの重み。立っているだけでも思っていたより大変だ。
写真ではわかりにくいが、おもりをつけると自然と腰が落ちて背中が丸くなる。自分が街で見かけるおじいさんのようになっているのがわかる。
そうか、いかにもお年寄りに見える姿勢は、自然とそうなるものだったのか。
当たり前なのだが、体感してみるとその苦労がよくわかるのが意外だった。筋力の衰えからくる体の重み、間接の曲がりづらさ。単に記号的に受け止めていた老人っぽさには、理由があったのだ。当たり前だったはずのことを実感。
さらに視野狭窄メガネまでかけると視覚も制限される。これは大変だ。
体験してみたからか、電車で席をゆずったりするのもこれまでより照れずにできそうな気がしてきた。そして、まだまだ元気にがんばらなきゃ!という、意欲的な内容なのになんだかじじくさくもある気持ちが湧いてきたりもした。 |