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コネタ251
 
原宿のハロウィ−ンパーティ
ハロウィーンはいまだに日本に馴染んでいない。心なしかかぼちゃもかわいそうだ。

去る10月31日といえば何の日だと思いますか? わかりません? ほら、アメリカでは大騒ぎの日ですよ! 大統領選挙? いや、そうではなくて、ほら、カボチャのオバケが出てきて……。わかんないかなぁ。ハロウィーンですよ、ハロウィーン。

バレンタインデーとならび欧米から日本に流れ込もうとした文化ですがまったく日本人に受けいられなかったかわいそうなイベント、ハロウィーン。誰も取り上げない文化はDPZが取り上げるとばかりに原宿ハロウィーンパーティの様子をコネタ枠でひっそり取り上げたいと思います。

梅田カズヒコ

表参道通りはハローハロウィーンパンプキンパレードのため神宮前交差点から青山通りまでの間、通行止めと駐車禁止になります。

きっかけは一枚の看板。

原宿の街を歩いているときに見かけた看板。よく見かける通行止めのお知らせだが、よく見ると通行止めの理由は『ハローハロウィーンパンプキンパレード』である。道路の利用者にとって通行止めは工事だろうとマラソンだろうとお祭りだろうとうっとうしいものだが、それにしても『ハローハロウィーン』である。欧風文化の『ハロウィーン』だけでも結構キテるのに、微妙に“ハロー”と“ハロ”ウィーンがボキャブられている。こんなこといっては主催者に失礼かもしれないが、迂回する車は心のどこかで『そんなことで迂回させんじゃねえよ』と思っているに違いない。ハローハロウィーンだからといわれても、納得できない気持ちが心のどこかに残る。

しかしそんなことを思ってしまうのは僕らがハロウィーンに対してあまりにも無知だからではないだろうか。

気がつけばハロウィーンに対する興味津々でシャッターを切っている自分がいた。そうだ、僕も心の殻を破ってハロウィーンに参加しよう。そして『そんなことで迂回させんじゃねえよ』といわないやさしい大人になろう。皆さんも一緒にハロウィーンを知りましょう。

さあ、皆さん一緒に、ハロー! ハロウィーン!

 

お、なんだあの人だかりは。
表参道はもうホコ天状態。

というわけで当日…

案の定、渋滞の表参道を自転車ですり抜けつつ、現場へと急ぐ。渋滞だってしかたないでしょう。なんせ今日は年に一度のハロウィーンだから!

近づくに連れだんだんお祭りっぽくなっている。原宿を歩く人はみんな今日のイベントを知らなかったみたいでかぼちゃのオバケを見た原宿キッズが
「えー、なにあれー、気持ちわるーい」
「えー、なんかー、USJみたいじゃない?」
と、わかるようなわからないようなことを口々にしゃべっている。

現場は祭りの参加者であふれ、仮装で歩く人々が多い。だが、原宿という土地柄、もともと奇抜なファッションが多いものだから、妙になじんでしまっていた。
というわけで「裏」原宿スナップ写真でお楽しみください。


パレードの中心部隊。みんなでサンバを踊ってます。
スパイダーマンになった少年。カッコイイー!

かぼちゃの魔女に仮装したお姉さん。ちょっと怖いが、ちょっと「萌え」でもある気がする。
犬も天使のわっかをつけています。こういう絵はなんかほっとしますね。

サンタもいます。
平和な家族の光景。きっといい思い出になることでしょう。子供の頃、家族とうまくやれなかった僕にとってこういう光景は心に染みます。

大所帯のバンドに、一人はこういう人いますね。ファンキーなアフロですが、子供はちょっといやがってる気がしなくもない。
あと、こういう人は大学の新歓コンパに一人はいます。

 

中にはうまくなじめなかった人も……。
お、お父さん……。家族に付き合って大変そうだけど、笑って! かぼちゃと一緒の顔になってますよ。

ハロウィーン、なかなか楽しいかも。

なんだかようやく楽しみかたをわかってきた気がする。確かに仮装パーティは参加しなくても、見るだけでも充分楽しい。盆踊りでは味わえない独特な魅力がそこにはある。僕の感性もなんとかアメリカンナイズされてきたようだ。

祭りとかましてやサンバとかにいまいちなじめなかった僕のリハビリを兼ねたこのハロウィーン見物はとりあえず成功したようです。いつか僕に家族ができたら満面の笑みで仮装してハロウィーンパーティに参加しよう。やさしい大人へ一歩近づいた気がする。

 

ところで……。



こちらはパレードに参加してない、つまり普通に原宿に遊びに来た人たち。こうやってさんざんハロウィーンパーティをみたあとだと、これも仮装に見えませんか? そうか、原宿ファッションは、仮装パーティと紙一重なのだ。日本人は潜在的には仮装文化があるのかもしれない。それに……



こちらは原宿駅そばにたむろするゴスロリ系ファッションの少女たち。いわゆるヴィジュアル系バンドのおっかけの女の子たちだ。

この風貌、どうみたって仮装だ! そうか、彼女らはハロウィーン文化を自分流に解釈した日本人なのかもしれない。
原宿系ファッション、ヴィジュアル系ファッション、そしてハロウィーン。いつもはばらばらだった人々を「仮装」というキーワードでくくった原宿のハロウィーンパーティ。
全国的にはわからないが、原宿では今後ハロウィーンのブレイクの兆しがある気がしてならない。原宿にたむろする人間は、基本的に仮装が好きなんだ。


最後に面白い写真をひとつ。
入念な打ち合わせをするスーパーマンとスタッフ。コントの一場面みたいです。

すっかり、楽しんでしまったハロウィーン。

バレンタインのフィーバーぶりに比べ知名度の薄さがぬぐえないハロウィーン。実のところこれまでハロウィーンに対して否定的だった僕は、存在意義まで疑っていたんですが、価値観が変わりました。
というわけで来年は僕自身も仮装して参加します。そして、その様子を再びデイリーポータルで実況! しなくていいですか。はい、すみません。でも楽しですよ。来年はあなたも僕と一緒に参加しましょう。


 

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