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コネタ


コネタ560
 
サンマの感電クッキング

今回のコネタはお料理です。

まずサンマを用意します。目が透き通ったものを選びましょう。
他に用意するものは、塩、アルミホイル、電極………電極?

佐倉 美穂

電気を通すわけですよ

金は天下のまわり物。電気は文明のまわり物。
電気がなかったら、パソコンだって扱えないし、スカパーだって見られないし、携帯だって使えないわけですよ。不便でたまらん!と机を叩きたくなる勢いですよ。

そんな電気を目で見てみよう、そして恩恵に授かっちゃおうというのがこの実験。

電気でサンマを焼きましょう、始まります。


うむ、このサンマはよいね。
今回の調理器具たち
スイッチ作成中
普通の調理風景のようだが、目的は通電しやすくするため
スイッチオン!
痔のわけがない

サンマを用意

細長いからという理由でこの実験に選ばれたサンマ。
頭と尻尾にアルミホイルを巻き、そこに電極をつなぎ、電気を流して加熱するのが今回の目標。

「この時期に売ってるかしら」と不安を抱きつつスーパーの鮮魚売り場に行くと、あったあったありましたよ、サンマ。
その時流れていたBGMはファンタスティポ。一週間に4回カラオケに行って、5回歌うくらい私の脳内ブームになっていた曲だ。歌いながらレジへ向かう足取りも自然と軽やかに。


電極の準備

調べると、この実験には100Vがちょうどいいらしい。家庭用の電源がジャスト100Vだ。なので、家庭のコンセントから電気をとり、それをサンマの頭と尻尾に流すようなコードを作る。

危険な実験でもあるので、間にスイッチを入れることにした。これで即座に電気を切ることができる。


実験開始

サンマに塩を振って通電し易くし、頭と尻尾にアルミホイルを巻いて、そこに先ほど作成した電極のミノムシクリップを挟む。
用意は簡単。
でも下手をすると感電したり、ショートしたり、家のブレーカーが落ちたりするので、電気電子科卒業の友人の指南の元実験を進める。
まな板の上のサンマ。もう身動きはとれない。

それでは、スイッチオン!

電気が流れ始めると共にアルミホイルの部分がチュリチュリと音をたてる。こんな魚の焼ける音は初めて聞いた。
今目には見えない変化がサンマの中で起こっている。

お、表面の塩が乾いてきた。サンマに手をかざすと温かい。感電し、発熱している模様。

変化に目をこらしていると、サンマの肛門から血が出てきた。…痔? このサンマ、痔?
そんな思いが私と友人の中に沸き立つ。

時間がたつにつれ、サンマの表面が乾き、ひび割れたところからぶくぶくと泡が出ている。
火は使っていないのに、焼ける香ばしい匂いが漂う。
ああ、サンマ、早くキミを食したいよ。

30分たち、そろそろよかろう、と箸で開けてみる。
おお、しっかり火が通ったように加熱されている。外に油が落ちない分、非常にジューシーだ。アツアツで煙りまで出ている。


美味しそうに加熱されましたぞ

 

しっかり美味しく食した。残った頭と尻尾と骨は猫にあげた。
こんな面白いの、サンマだけではもったいない。

というわけで、魚肉ソーセージとカマボコでも試してみた。

見よ、この膨れっぷりを。



スイッチを入れた瞬間から音がし始め、膨れあがる。
なんだお前は。しもやけか? という膨張ぐあい。

15分でフランクフルト大になった。もはや倍のサイズだ。

スイッチを切るとサイズが戻り、皮がしなしなになってしまった。哀れ、という言葉が似合うソーセージ。



念のためお断りしますが、カマボコです。

ソーセージと同じように「もう限界!」という声が聞こえそうな程膨らむ。
お餅に通電したらどのようなことになるのだろうか。今度試してみよう。

ああ、今電気流れてる! という臨場感溢れる実験になりました。
簡単だけど危険なこの実験、あれもこれもと試したくなること請け合いです。

そしてその調理されたものでビールを飲むのもまた一興。
火がない時の調理法はこれで決まり。


 

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