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コネタ


コネタ937
 
「極太1本うどん」を食べに
そんなに有名なうどんだったのか

京都に、極太のうどんを食べさせる店があるという話を聞いた。ずいぶん前に聞いた。

聞くところによると、極太のうどんが1本、どんぶりに入っただけなのだという。具も一切入っていないらしい。

「それは是非、一度食べてみなければ」と思いながら、幾年月。

先日、ついに憧れのうどんを食べてきました

高瀬 克子

店は北野天満宮の近くにあります

1年ごしのリベンジです

この名物うどんを食べさせてくれるのは、北野天満宮の近くにある「たわらや」という店。

実はこの店には去年も来ている。やはりコネタにしようと店を訪れたのだが、待っていたのは「もう太いうどんは売り切れましたんや〜」という無情なひとこと。

そんなわけで、今年は早めに出かけた。早すぎたので北野天満宮でブラブラ時間を潰したほどである。気合い入りまくりだ。

境内には牛がやたらと置かれてました
牛を触りまくる受験生。願掛けか何かでしょうか

学問の神様を祀っているだけあって、境内には受験生の姿もチラホラと見られた。私も「仕事がうまくいきますように」などと呟きながら、意味も分からず、あちこちに置かれた牛を触りまくる。

いかん、そろそろ昼時だ。店へ急ごう。今年もまた売り切れていたらシャレにならない。


「たわらや」さん。築400年の町屋のつくりを生かしたお店
いかにも京都っぽい店内。チョンマゲが入って来ても違和感がない

席へ着くなり「たわらやうどん」を注文。周りを見回しても、観光客っぽいお客さんは、ほとんどがこのうどんを注文していた。

名物うどん大人気。なるほど、早い時間に売り切れるわけです。


左端が例のうどん。一番安い

壁には芸能人のサインがいくつか飾ってあった。「テレビでおなじみ」と書いてあったが、このうどん、実はものすごく有名なんだろうか。私が知らなかっただけで、コネタにする価値などないのだろうか。

…など、不安に思いながら待つこと数分。うどんが来ました。


太い

…太い!(リピート)

噂には聞いていたが、そのあまりの太さに、驚きながらもつい笑ってしまった。麺の直径は2センチくらいあるんじゃないだろうか。

薬味のおろし生姜を入れ、箸で麺を持ってみる。


箸との対比で太さがお分かりいただけるで しょうか

おや?「太いうどんが1本」と聞いていたが、どうやら2本入っている模様だ。

店の方に聞いてみると「昔は確かに1本やったし、もっと太かったんですが…」とのこと。茹で上げるのに時間がかかる(今の太さで1時間)のと、喉に詰まらせたら危険だとの理由から、現在では2本になったらしい。なんと、これより太かったとは。

さっそく食べてみよう。それにしても、麺の重さが尋常じゃない。


これ、うどんの重さじゃありません

非常にもっちりとしていてコシがある。初めて食べる食感だ。

もちろん、うどんのようにズルズルと啜ることは出来ない。ズ、ズ、ズ、と、少しずつ口の中へ押し込んでいき、じっくりと咀嚼。

その太さゆえ、箸でしっかりと持たないと麺がツユの中に「ビチビチッ」と音を立てて落ちてしまう。なんて活きのいいうどんなんだ。


同行者の食べていた釜揚げうどんを投入。
普通の太さのうどんが、貧相に見えます

非常に満足です

これ以上に噛み応えのある麺料理が他にあるだろうか。そして、ちゃんと美味しい。さらに、ダシの効いたお汁も大変においしい。薬味として入れたおろし生姜のせいか、体がホカホカと温まる。

「名物にうまいものなし」と言いますが、このうどんに関しては当てはまらないようです。京都へお出かけの際は、是非。

店の近くのバス停の貼り紙。せいぜい利用します

「たわらや」
  京都府京都市上京区御前通今小路下ル馬喰町918
  TEL 075-463-4974
  営業時間 11:00〜16:00

 

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