おそるおそる包丁を入れる。
「……これでいいのかな?」
「いいんじゃない?」
「ま、平気じゃない?」
「次、Aちゃん切ってよ」
「やるやるー」
こういう作業を人とすると個人差が出る。
きれい好きなAちゃんは汚れた器を次々と洗い、手先の器用なTちゃんは美しく等間隔に麺を切っていく。
私はこねるのが結構上手かったような気がした。ま、腕力しかないということか…。
「なんか女3人で作業するのってさあ、調理実習みたいだよねえ」
「そうそう」
「私は昔の年末の親戚の集まった日の台所って感じかなー」
「今度もまた何かしようよ」
「あ、フライパンでパン焼かない?」
「え、焼けるの?」
「焼けるらしいよ」
「いいねえー」
お湯をわかし、麺をつぎつぎと茹でる。ほんとに食べられる麺になっているんだろうか? |