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ひらめきの月曜日
 
バウムみたいなチクワを作ろう

気がついてしまったのだ。バウムクーヘンとちくわが、似ているということに。

「棒に生地を巻き付けて焼く」という製造方法で酷似する両者。どうしてその相似ぶりに今まで気づかなかったんだろう。味さえ置いておけば、違いといえば、生地を重ねて焼くか焼かないかだけだ。

はっ、そうだ。ちくわの生地をバウムみたいに何重にも重ねて焼くことはできないだろうか。

バウムのあの独特の食感を、ちくわ界にも持ち込みたい! 河原でバウムタイプのちくわを焼いてきました。

(text by 古賀 及子

バウムとちくわに思いを寄せるきっかけ

ライター高瀬さんのコネタ「チクワはどこまで寛大か」を読んでいた。チクワの穴になんでも詰めてみようというエキサイティングな内容だった。私もちくわは大好きなのでその美味しそうな様子にかぶりつきで読んだ。じっと、じいっと読んでいて、それで気がついたのだ。

あ、ちくわってバウムクーヘンに似てる、と。

以前、わたしは河原でバウムクーヘンを焼いたことがあって(特集「河原でバウムクーヘン作り」)バウムクーヘンには思い入れがある。ちくわとバウム、両方への愛が極まっての気づきである。


竹輪に似ている バウムに似ている

ちくわをもっとバウムに近づけたい

思いをめぐらせればめぐらせるほどに、似ている。竹に巻き付けて焼くという製造工程の酷似。バウムクーヘンのしょっぱいのが竹輪で、竹輪の甘いのがバウムクーヘン。言ってみればそうじゃないか。

何か、数学の新しい定理でも発見したかのような興奮!

バウム-甘い+しょっぱい=ちくわ

が、バウムには竹輪とは違う重要な要素もある。生地が重なっているということだ。

バウム-重なり=ちくわ

説明があまりにも長くなっているが、今回はつまり

バウム=ちくわ+重なり

この「ちくわ+重なり」部分を実現しようという試みなのだ。

こうやって、バウムみたいにぐるぐると

早送りで練り物生地の製作の様子レポート

思い立ったらすぐやりたい。スーパーでアジとタラを買ってきた。これで練り物のベースを作る。以前ライター大塚さんが手作りかまぼこをやっているが(特集「カマボコを作ろう」)、それを参考にしつつ作業。もう、デイリーポータルのバックナンバーさえあれば一通りのことはできるんじゃないかと思う。


中型アジ3匹購入。
頭と内蔵をとって
3枚におろして 皮から血合いをよけて身をこそぐ。スイカやメロンの果実を皮ぎりぎりまで削ぐにに似てる。

中骨の部分に残った身も削ぐ。ショートケーキのフィルムに残ったクリームを取るのに似てる タラは下処理済みのおろしてあるのを買ってきた。

冷水で臭みと余分な油をとったら、包丁でたたく。粘りが出てくる


すり鉢に移して、塩、小麦粉、調味料を加える 小麦粉だと思ってた粉がお好み焼き粉だったけど、まあいっか。山芋たっぷりらしいので粘りも出るだろう すり鉢でごりごり10分ぐらい練って、すり身完成!

約束の地、河原へ

スーパーとはいえ、魚が美味しいことで有名なところへ朝一番に行ったのがよかったのが、新鮮なものが買えた。生臭さもそれほどなく、よい感じ。

すり身さえできれば、これを蒸せばかまぼこが、焼けばちくわが作れる。

このまま家で焼いちゃっても構わないのだが、期待が膨らみすぎて上がったテンションのやり場はもはや屋内にはおさまりきらず、野外に繰り出すことにした。

夏のこの季節、すり身を生のまま持っていくのは少々不安だったが、焼く前に常温で身をなじませると良いとの情報を得て安心。追い風を受け、向かうは、そう。約束の地、河原だ。


巻き付けて焼くための竹は、探していたら花屋さんにあった。観賞用だけど、竹には違いない 育つとこうやって先端がウネウネする模様。とりあえず、ウネウネしてないのを買いました。


 

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