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特集


ロマンの木曜日
 
夏のむれむれ、女のちんみ試食会!

日差しはまだ暑いけれど、夕暮れ、ふっと夏の終わりの匂いがしている今日この頃。皆様、いかがお過ごしですか。私の夏は……ええ、何にもなかったよ、なかったさ! しかも体調崩して料理も出来ず、涙ぐみながら、はって冷蔵庫までバナナを取りに行って、もそもそ2本食べて寝て、天井のしみを「あ、うさぎさんに似てるかも……」なんて思いながら眺めていたわけですよ! というのが先週末、お盆の出来事。皆様におかれましては、楽しく家族や友人たちと、花火したりロックフェス行ったりしてたんでしょうね……。
そんな自分を勇気づけるために、夏のほんの小さな冒険として、「食ったことない高価な珍味をばすばす食う飲み会」というのを開催決定。わたくし、いい年してるのに、高価なものって食べたことほとんどないんです。ああないさ! 奢ってくれる人もいないさ! きー!(逆切れ)。
もちろん参加者は、私のお気に入りの年下の可愛い子ちゃん(女子)限定、そして私が微妙に奢る、という自分内豪華企画です。

(text by 大塚 幸代

大塚「そんなわけで、お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありあり、ありがとうございます……」
女子A「いえいえ」
女子B「ぜんぜん平気です」
女子C「飲む気まんまんです〜」
大塚「えー今回は、おもに珍味を食べながら、楽しい話をする、いやむしろ楽しい話しかしない、という会にしたいんですけど……。うーんと、まずAちゃん! 何か楽しいこと、この夏……あった?」
A「私はもうアレですよ、新しい彼氏とラブラブで……」
大塚「まじで!」
A「……この話はじめたら、私のラブラブ話、2時間くらい語りますよ? いやほんとに! バラ色の日々!」
大塚「……はい、よく分かりました、その話はまたの機会に!」
A「えー、聞いてくださいよう! もう安らぐっていうかあ、うふふー」
大塚「半同棲状態とか言ってましたよねえ……同棲、したことがない! どうやったらそういう展開になるのか、検討もつかないし!」
A「ええー、自然にそうなりませんか?」
大塚「なりません! はい次、Bちゃん、この夏はどうでしたか!」
B「ええとですねえー、私が創刊した雑誌の2号が出まして、おかげさまで増刷が決まりましたー!」
大塚「あ、Bちゃんは匿名じゃなくていいんですか? じゃあ名前明かしますよ。えー、チェコ総合情報誌『CKUR(ツックル)』編集長、梶原さんでーす」
梶原「どうもでーす」
大塚「梶原さんはこないだ、チェコ行って、世界的映像作家、巨匠ヤン・シュヴァンクマイエルさんに逢って、インタビューしてきたそーじゃないですか!」
梶原「ええ、なぜか実現してしまいまして……逢ってきましたー。小さい、やさしい感じのおじいちゃんでしたー」
大塚「……作品しか見たことない私には、あまりにもピンとこない話です、ものすっごい変態的な作品撮る方ですし! 次回作は、肉片がコマ撮りでアニメになってるんですよね?」
梶原「ドラマ部分とアニメ部分があって、アニメ部分は、豚肉の部位が……豚足とか、豚耳とか……性器とかがアニメに……」
大塚「……た、楽しみですね! チョコ、きてますよね、もぐらのクルテクくんとか、萌え萌えだし!」
梶原「2号の特集は、チェコアニメーションです! 可愛いのたくさん紹介してまーす、大塚幸代さんも寄稿してますので、買ってくださいねー!」
大塚「はい書かしてもらってます、入手で出来る全国お店リストをリンクしときます、よろしくです! 次、Cちゃん、何か楽しいこと、あった?」
C「……まえ不倫しててー、結局別れた相手がいたんですけど」
大塚「うわ、なんかそんな話あったねえ……」
C「奥さんと別れてくれなくってえ……」
大塚「泥沼になってたもんねえ」
C「……なのに最近彼、離婚して、新しい恋人と結婚しましたー!」
大塚「あーーー! 暗い話禁止! 禁止禁止!」
C「……じゃあ大塚さん、何か楽しい話題あるんですか?」
大塚「……………あ、からすみ来たよ」


【からすみ】
 ボラの卵巣を塩漬けして、塩抜きした後、天日干しで乾燥させたもの。「ウニ」「コノワタ」とあわせて日本三大珍味と呼ばれる。長崎県の特産品だが、イタリア産、台湾産のものもある。中国産の墨(唐の墨)に似ていることから、この名前が付いたという説も。味が濃厚なので、薄くスライスしたり、すりおろして使用されることが多い。

大塚「まオレンジね」
梶原「オレンジのかまぼこにしか見えませんねー」
大塚「んー」
(試食)
大塚「……チーズ?」
梶原「チーズっぽいですね」
C「チーズとろうそくを足したような味がします〜」
大塚「ろうそく食べたことあるの?」
C「ないですけど〜、ほら、むかし子供の頃に、カニカマボコみたいな形の、ネンドありませんでした? ちょっと固めの」
A「…あああ、あったねー」
大塚「クレヨンみたいに並んでるやつ?」
C「そうそう。あれをかじった時の味に似てます〜」
大塚「……ていうか、かじったんですか? Cちゃん」
C「うん。……あ、それと同じ時、タンスに彫刻して怒られたことも思い出した!」
大塚「……へー」
C「あと、イチゴ洗って来いって言われて、ママレモンで洗って、びっくりされたことも思い出した!」
大塚「……自由な子供だったんですね! ええとー、ラブの話に戻しましょう。Cちゃん、新しく好きな人、出来たらしいじゃないですか!」
C「はい、遠距離なんですけど」
大塚「どんな人?」
C「うーん、身長は180くらいあるんですけど、アンガールズの二人を足して2で割ったような顔です〜」
大塚「……そのひとの、どこが良かったの?」
C「ええとねえ、安らぐんですよ。田町と町田を本気で間違えちゃうようなヒトでー」
大塚「え…」
C「いや、本当に間違えるんです〜。例えばm-floのヴァーバルをバーバラって呼んだり……」
A「あ、それ、『おかあさん』っぽい間違え方ですね!」
梶原「お母さんぽいぽい!」
C「お母さんぽいかも!」
大塚「それで安らぐのか……あ、このわたが来ました」


【このわた】
 ナマコ(海鼠)の内臓を塩辛にしたもの。ちなみに全体を干したものは「煎海鼠(いりこ、またはきんこ)」、卵巣を干したものは「このこ」または「口子(くちこ)」と呼ばれる。

(試食)
大塚「……なんか、ししゃもを、海方向に、ずーんと矢印ひいて、強くしたみたいな味ですね」
梶原「私、ウニ好きなんですけど……ウニの苦いところを集めたような味しますね……」
A「うそー、美味しいですよ!」
C「美味しいですー、磯の香りが!」
大塚「いや、私もこれだめかも……」
梶原「私も、これ苦手かもしれません……私、山梨出身で海がないから、海モノ苦手なのかも……」
大塚「そうか、私も埼玉出身で、海がないからだめなんだ!」
梶原「きっとそうですよ!」

A「えー、私も埼玉ですよ!」
大塚「あ、そういやそうだったね……。ああ、しかし、楽しい話、明るい話題、ラブの予感、みたいなの、いいよなあ……」
A「あ、Xさんとか、今あいてますよ、彼どうっすか?」
大塚「んあー私、がっしりした感じの人は、かっこいいとは思うんですけど、あんま惚れないんですよ……」
C「Xさんて、どんな人?」
A「んあー、キリンジの兄に似てる」

(注:お兄様は写真右)

大塚「そういえば、キリンジって韓国ではルックスもすごい人気があるらしいですよ!」
A「えー!」
梶原「がっしりタイプは韓国モテ!」
大塚「ものすごいライブでキャーキャー言われてた、との噂!」
A「へえーーー」
梶原「そうそう韓国、韓国留学から帰ってきた友達がいるんですけど、彼女と喫茶店でお茶してたら、私のケーキを自然に、ぱくぱく食べるんですよ!」
大塚「えー!」
梶原「『ああごめんなさい! 韓国ではこういうの、普通なの、気をつけなきゃ』ってあやまられちゃいました」
大塚「そうなのか……やっぱ異文化なんですねえ〜」
C「そういえば、うちのお母さん、がパク・ヨンハにハマっちゃってて〜」
大塚「……韓流って、ピークは過ぎたとはいえど、根強いですよねえ。お母様方が…熱しやすく冷めにくかった、っていうの、けっこう衝撃だったなー」
C「そう、お母さん、ドラマ見てますー。で、CD買ってあげたんですけど……ドラマ主題歌のコンピ」
大塚「おお、親孝行だ」
C「そしたら訳詞見て、『ただのラブソングじゃないの! 私が想像してたのは、もっと壮大な、ロマンチックな歌詞だったのに!』とか言って文句言ってた……」
大塚「うわ、妄想のほうが大きかったのかあ……あ、こないだ職安通りでぺ・ヨンジュンの新作映画のウチワもらったのんだけど、いる?」

C「うちの母は、ペさんよりもイ・ビョンホンが好きなのでいいです〜」
大塚「あ、そう……。もし欲しい方いたら差し上げますので、こちらにメールくださいませ!(→応募フォームへ)」
C「……あ、うるかきましたよ〜」

 

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