ふやけ麺には自信がある
先日、安藤さんが「湿るとうまい」という特集を書いてらっしゃったが、その気持ちは私にもわかる。
時間の経過と共に、本来の姿とは微妙に異なる味覚を提供してくれるという点で、湿ったものと、ふやけたものは、従兄弟のような関係にあると思う。
だが、安藤さんは最後に「やはり開封したてがうまい」と締めておられた。正直、裏切られた思いがした。
「麺は違う。麺はふやけてもうまい」
そんな確固たる自信を胸に、手当たり次第に買ってきたカップラーメンたちにお湯を注いでまわった。
最初から、ふやけさせることが目的でカップラを食べるのは初めてだ。どこかに「やってはいけないことしているのではないか」という気持ちがあり、いささかドキドキする。 |