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特集


フェティッシュの火曜日
 
工場見学:うなぎパイができるまでを見てきた

たまに「ああ、工場見学したい!」って思うときがありますよね。あるよね。

小学校の社会科見学で地元スバルの工場を見学したときは、かっこいい車の下じきがもらえた。縫製工場に行ったときは、刺繍したてのハンカチをもらった。楽しい思い出ばかりだ。

あれから20余年。今は「デイリーポータルZ」という工場の中でモノを生み出しているわけだが、ちょっと息抜きをしたく、「そうだ、工場行こう」と思い立ち、いろいろと探した結果、「うなぎパイファクトリー」へ向かうべく、新幹線に乗ったのであります。

乙幡 啓子

夜のお菓子は郊外で作られる

静岡・浜松方面に行った人が必ずお土産に買ってきてくれる「うなぎパイ」。なんだかんだで、自分で買わずとも年に数回は食べる機会がある。そして「夜のお菓子」というコピーでも有名すぎるほど有名。それは「精力のつくうなぎの粉が入っている」からではなく、そりゃ入っているのだけど、それとはまた違う意味の「夜のお菓子」。

そんな身近なあの長いパイを作る工場が、去年の4月から「うなぎパイファクトリー」として一般見学者に開放するようになったのだ。

しかも、併設されたカフェには「うなぎパイ」を使ったスイーツもあるという。これは行かねばと、こだま539号に乗った。


けっこう郊外です。

工場は浜松駅から車で20分の郊外に位置する、浜松技術工業団地内にある。周りは何かの倉庫や、堅そうな工場ばかりだ。その中で、真新しい「うなぎパイファクトリー」の建物が、そこだけ色づいて見える。おもしろくも見える。


「工場」というイメージではない、きれいな工場!
後ろの絵の人を真似して記念撮影。

 

基礎を学びましょう

さっそく工場を案内してもらうことに。ちなみに、予約すると下写真のツアーガイドさんによる案内をしてもらえる(30分)が、予約しなくても、ふらっと来て好きな時間に見学することもできるのだ。急な見学心が起こったときなどにはうれしい。

この日は平日だったので館内は落ち着いていたが、日曜などは2,000人を越えるお客様が見学に来るそうです。大人気だな。


まずは製造工程の基礎知識から。
ちなみにこの木の棒は、パイ生地を伸ばす麺棒を使用。

ではまず、焼く前の工程をざっくりと説明するのでよく聞くように。

1)バター、小麦粉に水を入れて生地を練る
2)生地玉を手で伸ばして折りながら麺棒で伸ばす
3) 24時間、冷蔵庫で寝かせる
4)冷蔵庫から取り出して、砂糖をふりながらまた手で伸ばす。麺棒でも伸ばす。
5)切ってオーブンへ

以上を、職人の手作業で行うのだ。ここの工場で生産されるうなぎパイの数は1日あたり20万本、それを手で。生地の調子が日によって違うので、それに合わせて手を加えるとのこと。うーん、リスペクト・ザ・職人。(ところでこの生地作りは一般には公開されてなかった。秘密のようです。)

ちなみに、年間での生産量は約7,100万本。それだけではもちろんピンと来ないが、つなげると地球の直径とほぼ同じ長さになるそうだ。つまり、日本から穴を掘って掘ってどんどんうなぎパイを投入すると、一年でアルゼンチンの皆さんにお届けできるというわけだ!(正確にはブエノスアイレス沖の海中だけど)


ここで!「うなぎパイ」コネタその1!

うなぎパイファクトリーの、2階へ上がる階段の手すりが、ゆかいな形だ。

点々と、なにかの形が・・・

うなぎだ!うなぎだくにお。

 

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