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特集


ロマンの木曜日
 
裸眼会(らがんかい)リターンズ

今年1月、近視の人間が裸眼で飲み会をする「裸眼会(らがんかい)」の様子をレポートした。近視の方々から、「私もさっそく裸眼を試しました」「目からウロコが取れました」など、多くの反響をいただいた。

今回はその裸眼会がネクストステージへと突入する。メンバーが裸眼で挑むのは、ボウリングとカラオケとダーツ。果たして裸眼で楽しむ事は出来たのか?
メガネ男女の挑戦、第2章をご覧下さい。

(text by 住正徳

裸眼会・イン・ボウリング場

今回、裸眼会リーダーの林さんが舞台に選んだのはボウリング場。視力0.1以下の裸眼でボウリングに挑戦したいという。

参加メンバーは以下の3名。


林雄司(近視)
当サイトウェブマスター。メガネ歴20年。
前回の裸眼会を経験し裸眼の魅力に開眼。「今回は裸眼の限界に挑戦する」。
臼井悠(近視)
出版社勤務。メガネ歴12年。
「博士の異常な健康」水道橋博士著(アスペクト社刊)の編集作業が終わりホッとしている。「今回も裸眼で色々な物を見ていきたい」。
大山顕(近視)
当サイトライター。メガネ歴18年。
「メガネは機能美だ」をモットーに、普段からメガネのデザインにはこだわりを持っている。

当サイトのライターとして「ラブホテル」を鑑賞する「高速道路に架かる橋」を鑑賞する、など色々な物を鑑賞してきた大山さんが新メンバーとして加わった。


申し込み用紙に顔を近づける2人
これは券売機か、それとも両替機か

ゲームが中々始まらない

ボウリング場に一歩足を踏み入れた時点で全員がメガネをはずし、ゲームの申し込みから裸眼で行った。しかし、ゲーム開始までにはいくつかの手続きが必要で、それらを裸眼でこなすのは容易ではなかった。メンバーたちが直面した問題は以下である。

・申し込み用紙への記入に時間がかかる。
・貸靴券の自動販売機と両替機の区別がつかない。
・ボールのポンド数が分かりづらい。
・指定されたレーンの番号が見つからない。

何とか貸靴を受け取り、何とかボールを選び、何とか指定レーンに辿り着いた。いつもより時間はかかったが、これでようやくボウリングを始める事が出来る。が、ここでまた、新たな問題が浮上した。レーン上部に埋め込まれた得点モニターの表示が見えないのだ(裸眼視点1)。

コンピューター制御により自動的に得点を計算してくれる便利なシステムも、裸眼会にとっては無用の長物である。レーン上部のモニターは無視して、席に設置された小さなモニターのみを頼りにゲームを進めて行く事になった。


これは何ポンドなのか? 僕たちのレーンはここでいいのか?
得点モニターが 裸眼視点1:得点モニターが見えない

裸眼視点2:18メートル先のピン
白い塊めがけて投げる
何本倒れたか、2人とも分からない
モニターで確認

時差のあるリアクション

ボウリングレーンの全長は23.72メートル。ファウルラインから一番先頭のピンまででも18.26メートルもある。視力0.1以下の人たちにとって、18.26メートル先の物はどのように見えているのか?

林「一つの白い塊に見えます」

もちろん、実際には10本のピンが正三角形に並べられている訳だが、林さんには一塊に見えるのだという(裸眼視点2)。

確かに一つの塊にしか見えない。

林「でも、この方が狙いやすい」
大山「いつもより高得点が期待出来そう」

2人ともボンヤリとした視界と前向きに向き合いつつ、第1フレームの第一投は林さんが投じた。

ゴロゴロゴロ、ガシャーン。

いきなり8本を倒す好スタートではあるが、投げた林さんも見ている大山さんもキョトンとしている。2人とも何本倒れたのか、分からないのだ。

大山「あっ、8本倒れてます」

モニターを見て大山さんが言う。

林「やった!」

林さんが好記録に喜ぶが、この時点でピンが倒れてから随分時間が経っている。

そんな衛星中継の様な時差を伴うリアクションと伴に、裸眼ボウリングは始まった。



 

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