デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示


はっけんの水曜日
 
冷凍食品で涼む

じー

 

・・・。

 

 

チーン!

 

解凍できた、かな?

 まあ、そんなに画像をデカくする必要もなかったが、「1時間ぶりに動きましたよ」という躍動感を伝えたい気持ちの現れであると受け取って欲しい。

 寝袋に篭っている1時間のあいだ、冷凍食品を体の冷えた部分から熱くなっている部分に移動させる小さな動きしかしなかった。計算通り寝袋の中は、冷凍食品の冷気のおかげでそこまで暑くならず、なかなか快適に昼寝することができた。

 では、冷凍食品のほうはどうなっただろうか。

 

見た目はいたって普通。
こういう顔でアリ・ナシ判定してる時点でナシかもしれない。
  まずはじめはフライドポテトだ。

 箱を手に取った感じではもはや中が凍っているようには思えない。決して温かいということはないが、表現すれば「普通の箱の温度」というところだろうか。

 ぺりぺりと箱を開けてみる。見た感じは普通。霜が降ってたりはしない。

 一本つまむと、んー、なんだろう、「冷たい」という程ではないが…。なんとも言えないまま口に運ぶ。んー、ひんやり? いや、そこまでいかないな。あ、そうだ、「涼しい」だ。涼しいポテト。

 どうやら、箱の中に結構あった何も無い空間がぼくの体温を伝わりづらくしていたようだ。

 1時間前は完全に凍っていたポテトは、体温で温めることによってサラダ的温度の涼しいポテトになっていた。既にフライドポテトの形をしているから違和感を感じるが、アリといえばアリかもしれない。

 

やっぱり見た目は普通。
でも、かたい。
  続いてたこ焼き。

 これはもうダメだった。中が完全に凍っていた。

 付属のソースとマヨネーズは解凍されていたのでとりあえずかけてみた。見た目や表面の様子は普通、あるいは丸々としてておいしそうな感じがする。が、丸々としてるのは、凍っていてかたいまま形を保っているからだ。

 口に放り込むと、冷たい。やっぱり大きすぎて中まで熱が伝わっていなかったようだ。噛んでみて、かたくて噛みきれないということはないが、中心に行けばいくほどシャクシャクする。

 もし日本のどこかに「たこ焼きアイス」なるものがあれば、おそらくこんな感じだろう。いや、むしろこれはたこ焼きアイスなのではないか。そう思い込めば、アリかもしれない。味で言えば問題なくただのたこ焼きだし。

 もちろんナシといえばナシだ。

 

かたくは、ないな
おろ。
  最後はチャーハン。

 たこ焼きがその大きさのためアウト気味だったので、チャーハンの量の多さは心配だ。そんなわけで、袋をふにふに押してみる。かたくもないし、氷のような冷たさもない。ひんやりしているくらいだ。

 袋を開けて、中の様子を見てみる。ご飯同士がくっついちゃってるかな、と思ったがそうでもない。全体に油がいきわたっていて、出来立てのチャーハンと同じくパラパラしている。

 皿を持ってくるのを忘れてしまったので、袋に箸を突っ込んで食べてみた。これは、意外と…イケる? 「冷やし中華があるんだから、冷やしチャーハンがあってもいいかもしれない」と思わせてくれるような感じだった。油の潤いがあるので、普通に冷めてパサパサになったチャーハンとは全然違う。

 完全に冷凍されて食べられない状態のチャーハンと、電子レンジで加熱されてアツアツの状態のチャーハンの間のミッシングリンクを埋めてくれるようなチャーハンだ。

太陽がまぶしかったから。

 そんなわけで、暑い夏に体を冷やしつつその熱エネルギーの移動を無駄にしたくない人は、冷凍チャーハンを用いるのが最適、と結論付ける。 ただし一度解凍した冷凍食品は、再度冷凍しても元の品質には戻らないことがあることに注意が必要。

 …と、まあ、「熱エネルギーを無駄にしない合理性」とか言ってきたが、単にやってることを見ると、完全にまちがってますな。でもいいんですよ、夏なんだから。

例によって川原にはBBQする若者たちがいた。


 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ

 
Ad by DailyPortalZ
 

アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation